17億円超で売却されたゴッホの真作 過去に「タダでどうぞ」も無知ゆえ断った女性が

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女性も義理の両親もゴッホ作品の価値がわからず…。
女性も義理の両親もゴッホ作品の価値がわからず…。

先月、オランダで開かれた国際美術・骨董市「TEFAFヨーロピアン・ファイン・アート・フェア(The European Fine Art Fair)」に出品された、フィンセント・ファン・ゴッホによる絵画作品『田舎家、朽ちかけた納屋とかがむ女性(Peasant Woman in Front of a Farmhouse)』。先月、日本円にして17.7億円ほどで匿名のバイヤーの手に渡ったこの傑作が、過去にはある若い女性から「タダでも要らない」と断られていたことがわかった。



英国スタッフォードシャー州在住のガイ・ホレルさんという現在76歳の女性。彼女は地元紙『シュロップシャー・スター』の取材に応じ、1967年の“その日”の様子を振り返ってこう話した。

「コテージで家財の整理をしていた義理の両親から、好きなものを持っていくといいと言われたんです。穴が開いて汚かったのですが、私はその絵が何となく気に入ってしまいました。」

「でも義理の両親は『大した絵じゃない』と言うし、私も美術の知識がなくて、やっぱり要らないと思ってしまったんです。それより真鍮製のハンドベルが素敵で、そちらを譲ってもらうことにしました。」

これにより彼女の義理の両親、チャールズ&モリー・ホームさん夫妻は絵をタダ同然の競売にかけた。540円で落札した所有者も飽きてしまったのか、その後に絵をジャンクショップへ。素人の手を行ったり来たりしたことで、ゴッホの作品でありながらなかなか日の目を見ることがなかった。

やがてノース・ロンドン在住のルイージ・グラッソさんという人物がその絵を約6,000円で購入した。飾ってみたところ、かすれた文字で「Vincent(フィンセント)」の署名があることに気づき、オランダ・アムステルダムにあるゴッホ美術館に鑑定を依頼。そこで絵はゴッホによる真作と判明した。

1970年には日本円にして1,350万円の値がつき、30年後に価値は2,000万円へと上がった『田舎家、朽ちかけた納屋とかがむ女性』。最終的には今年3月に17億円もの値でコレクターに売却されたことを知り、ガイさんは愕然としてしまったそうだ。

「手放してしまったのは私たちですから、もう何もできることはありません。手元に何の価値もない真鍮製のハンドベルが残った、それだけです。無知ほど悲しいものはないですね。人生の実に痛いレッスンだったと思っています」などと語っている。



(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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