海外仰天系ニュース受難の時代に ネタ記事の画像転載でトラブル多発

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 ニュース画像の無断転載の取り締まりが強化される
ニュース画像の無断転載の取り締まりが強化される

じつは過去2ヶ月ほどの間に、弊サイトには海外のニュースメディアより「画像をスクリーンショットでも転用するな」といったお叱りのメールが2件も舞い込んでしまった。弊サイトが非常に小規模なものであることから、1件についてはただちに記事を削除することで何とか容赦していただいたが、もう1件からは著作権のある画像の無断使用として罰金の支払いを求められた。



ご存じのとおり、メディアのなかには海外主要メディアが掲載した写真をまるごとスクリーンショット(以下スクショ)したものを自分たちの記事に貼り付け、日本の大手ポータルサイトにも堂々と配信し、広告収入をたんまりと得ているところがある。だが、その手法はいよいよ許されなくなった。ショッキングな画像を転載してアクセスを稼ぐことが多い海外仰天系のニュース。このカテゴリーのニュースにかつてない受難の時代が訪れたようだ。

おりしも先月下旬、インターネット上の海賊版対策としてダウンロードを規制する「著作権法」につき、写真、漫画、イラスト、論文などが“一部”に写り込んだものの場合はスクショなら合法、問題ナシという方針を文化庁が打ち出し、有識者会議に素案を提出した。

合法という言葉が並んだことに「へぇ、規制が緩くなったのか」などと喜んだ方は多いのかもしれない。もちろん一般人にとってはメリットがありそうだ。だが商用のウェブサイトとなると話は別。現時点でのスクショの合法/違法性についてまとめると、以下のようになる。

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■「軽微なもの」ならOK
漫画にたとえると、1コマで完結する漫画のスクショはNG。ただし数十ページもある漫画のうちのたった1ページのほんの数コマをスクショしたもので、読者が見たいと思っているものの“ごく一部のみ”でしかないなら合法。軽微というのはメインではないという意味だという。

⇒ 逆にいえば、英メディア『Metro』や『Mirror』『Daily Mail』などによくある、奇形の赤ちゃんが誕生したなどというグロテスクな写真つきの記事から画像をスクショで拝借して記事を起こし、それが読者の興味を引いて収益をあげるようではNG。後述の「私的な使用目的」ならOK、で触れるが、これをやって許されるのは個人が楽しむ範囲の小規模ブログやSNSだけなのだ。

■「その一部として小さく写り込んだ」ならOK
SNSでは自分のアイコンに芸能人の顔写真を使用している女性が大勢いるが、そんな感じならOK。画面全体に対してその写真は“ごく小さく”写り込んでいるだけで、読み手にとって関心があるのはその写真ではないからだ。

⇒ 逆にいえば、その写真が読み手の関心を独占してしまうような強力な存在であってはNG。スマホの横幅をまるまる使うサイズで芸能人の画像を使用するといったことは許されないようだ。

■「私的な使用目的」ならOK
スクリーンショットで撮影したものを“私的”なもの、たとえば小規模のブログやソーシャルメディアでちょっとだけ使用するならOK。

⇒ 逆にいえば、広告収入を上げライターを雇って書かせているような商用目的のニュースサイトはこれには該当しない。

ちなみに海外セレブ、モデルの記事に多用されているインスタグラムは使用OK。これは以前より確認されていることだ。

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<では、こうしてみたら…?>

「では、権利所有者から正しく画像転載の許可を取る、あるいは求められる金銭を支払えば良いのでは?」とは誰もが考えること。仰天ニュースを得意とするイギリスの大手メディアに、弊サイトからも画像転載の許可をもらおうとメールしてみたことがある。「御社について必ず本文の最後にクレジット表記を添えますので」とも約束してみた。

ところが1週間以上も待たされた挙句、返事は「こちらがプロのカメラマンに著作権料を支払って、二次使用は許可しないと誓約して購入している写真だ。ダウンロードでもスクリーンショットでも、いかなる手段でも画像の転載はダメ。商用目的のサイトなら許されないことだ」ととても厳しいものだった。1週間も経っているためすでに速報としての価値を失っており、こちらも記事にすることもなかったが…。つまり、求めたところで転載の許可などくれない。これが現実なのだ。

<「COPYTRACK」社さんに質問してみた>
画像における著作権侵害行為を取り締まることを専門としている、「COPYTRACK」という会社をご存じだろうか。ドイツを拠点として各国に顧客を持つため、海外仰天系のネタの多くがイギリスをはじめ欧州から発信されていることを考えると、ドキッとするものがある。

この会社は、画像の著作権者が不正に使用されていないかと申し出てきた場合は洋の東西を問わず動き、対象となるウェブサイトが商用目的に運営されていると判断された場合は、すみやかにライセンス使用料の支払いを求めるとしている。この会社の日本人スタッフの方にアドバイスをいただいてみたところ、大きく2つの点が示された。

■画像の転載を希望するなら著作権者から事前に許可を得ること
記事にする前に著作権者に連絡して画像転載の許可を得る、これはとても重要なプロセスだそうだ。しかし前述のとおり、尋ねたところで先方からの返事は1週間でも2週間でも待たされる。そのうえ「商用目的のサイトへの転載は厳禁」というスタンスでの答えが戻ってくることは明白だ。

■一番確実なのはフォトストック・エージェンシーから画像を購入すること
日本には、弊サイトに限らず海外の仰天記事からインパクトの強い画像を拝借してアクセスを稼いでいるサイトがいくつか存在する。だがここから先、ますます著作権の侵害について“捜査の目”は厳しさを増すことだろう。

ショッキングな写真に頼らず、あくまでも文章の質で正々堂々と勝負し、使用するのはイメージ画像のみ。そんな方向転換が求められているようだ。

(エトセトラ/編集長:朝比奈ゆかり)