中国 ブタとサルのキメラついに誕生 ヒトに移植する臓器を育てる目的で

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4000以上の胚で実験が続いたとする研究所
4000以上の胚で実験が続いたとする研究所

ヒトの起源について類人猿と豚のハイブリッド(交雑種)だという話を聞いたことがあるだろうか。そして、もしもブタとサルを掛け合わせ、かつ遺伝子的にヒトに最も近い動物を新たに誕生させることが可能になったら…などと考えたことはあるだろうか。



クローンが続々と誕生しているのと同じように、動物の世界では交雑種の研究が進み、ラバ(馬とロバ)やライガー(ライオンとトラ)といったハイブリッド動物が実際に誕生している。畜産業界において、商品の品種改良が目的で長いことあらゆる掛け合わせを模索してきたことはご存じのとおりだ。

そうしたことから、近年オスのブタとメスのサルを掛け合わせ、遺伝子的にもヒトに最も近い動物を誕生させることができたら、多くの人の命を救うことができるだろうと唱える研究者が増えていた。目的はずばり臓器を得ること。その動物を育ててヒト細胞を持つ腎臓や肝臓などを取り出し、臓器提供を待つ患者に移植すればよいという考え方だ。

なにしろ体重、皮膚を組織するたんぱく質、臓器の大きさや重さから血圧に至るまでブタは非常にヒトに近いものを持っている。実際に心臓病患者の人工弁としてブタの心臓弁が用いられることがあるくらいだ。

今年の夏、スペインの『エル・パイス(El País)』紙が予告的に報じていたこの話題。スペイン国籍の生物学者で現在は米カリフォルニア州のある研究所に在籍しているファン・カルロス・イズピスア・ベルモンテ博士が、中国の技術者たちとタッグを組むことが明らかにされた。「ヒトの胚性幹細胞を加えて作ったサルの胚を用いて、ヒトと動物でキメラ誕生を目指す」と伝えられたのだ。

当然ながらそこには倫理の問題が立ちはだかる。たとえば今年7月、アルツハイマー病治療を目的に脳に一部ヒトの脳を組み込ませた実験用のサルを誕生させようと中国の研究者が提案した際には、「なんというタブー」と世界の研究者らを仰天させた。

こうした研究において、「我々の辞書に躊躇の文字はない」といえばやはり中国だ。ベルモンテ博士を迎えた北京にある干細胞与生殖生物学国家重点実験室(State Key Laboratory of Stem Cell and Reproductive Biology)で、このほどついにサルとブタのキメラが誕生したという。



幹細胞学を専門とするイェール大学のアレハンドロ・デ・ロス・アンヘレス(Alejandro De Los Angeles)博士は、イギリスでは1日約3人、アメリカでは約12人が臓器提供者が見つからないまま命を落としているという事実を踏まえ、ある程度の理解を示しながらこう話している。

「それは、我々が長年にわたり探求し続けてきたもののなかなか得られずにいた素晴らしい答えです。そのことは理解しますが、倫理に関して適切な議論が事前にしっかりと交わされるべきでしょう。」

なお研究の舞台が中国に移った理由については、サルの体の内でヒトへの移植用臓器を育てようとする考えそのものに無理がある、倫理上の問題もおおいにあるとして米国立衛生研究所が研究資金の出資を拒否。そのあたりに鷹揚で規制も緩い中国が選ばれたのではないかとみられている。

しかしヒト細胞を胚に定着させることは実に困難なのだろう。4,000を超える胚について試行錯誤を繰り返しながら誕生したサルとブタのキメラだが、健康そうに見えたものの1週間以内に赤ちゃんは全匹とも死亡。死因は明らかにされておらず、まだまだ実験は始まったばかりとだけ伝えられた。



画像:『Express UK』World’s first monkey-pig hybrid born in shocking Chinese experiment – and humans are next

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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