【パワハラ被害者の声】日本のパワハラ事情に衝撃 辞職した人、残留した人、様々な対処法も

この記事をシェアする
どうしてじっと耐えるのか…?(画像はイメージです)
どうしてじっと耐えるのか…?(画像はイメージです)

日本でも職場問題が大きく取沙汰されるようになってきましたが、アメリカでは何年も前からたびたびメディアが陰湿かつ悪質な上司が職場でもたらす問題を取り上げ、その対処法や法的手段につき報じてきました。当サイトでも、被害者の生々しい訴えをしっかりと伝えていきたいと思っています。



今回は、サイトに寄せられた「こんな事も言われた」「あんな事も言われた」というびっくりパワハラ発言、そしてそれが伝わった経緯や現状につき、厳選してお伝えしたいと思います。働き方が多様化しているため、今回は常勤で企業に勤めている男性、フリーランスとして勤務している女性2名のケースを取り上げてみました。

****************

■職業(会社員:常勤:男性)
【パワハラ発言】:「お前って、体もデカいけど態度もデカいな。」

【言われた状況】:直接本人からオフィスにて。早口の先輩がまくしたてるため仕事の説明が理解しきれず、「すみません、もう一度この部分をお教えください」と不明点につき質問した直後の返答だった。

【対処法】:質問するたびに同様の発言があったため、しばらく我慢した末に上層部の信頼できる人物に会い相談。会社側も注意はしたというが相手の態度はなかなか変わらず、状況そのものは改善されなかった。だがその後に問題の人物は異動を経て定年退職し、一気に問題は解決した。信頼できる上層部の人間に伝え理解を得られたことで「気持ちは楽になった」とはいうものの、同様の不満を多くの社員が抱え上層部に直訴していたことから、会社側の対応は甘かったと今も感じている。

【現状】:問題なく働いており、今は「あの先輩のような人にはなるまい」との思いもあって後輩にはとりわけ丁寧に指導し、休みの日にも後輩たちに誘われキャンプに行くなど慕われている。ストレスはなく、仕事にやりがいもあり満足している。

****************

■職業(フリーランス:女性)
【パワハラ発言】:「解雇されるのが怖くて必死で仕事をしているバカ女。」

【言われた状況】:同僚複数からの報告で。当時会社内でトラブルが続き、意味もなくパワハラ被害を受けた同僚を擁護すべく上司に「遺憾です」「なぜこのようなことを?」と思い切って尋ねるも無視された上に、ある月の報酬を大幅に減らされた。それでも悶々としながら仕事を続けていた際に、陰で言われていた悪口の数々が複数の同僚からの連絡で判明。報酬に関する差別的待遇につき会社に報告し、理解を得られたものの全く進展がなく、補填も謝罪もなかったことから辞職に至った。

【対処法】:弁護士数名に報告し、違法ポイントをリストアップしてもらった。上層部からのメール、電話音声(録音済み)、同僚からの「訴えた方が良い」というメールも全てキープし当局にも連絡済み。法改正があれば速やかに動けるようにしてある。謝罪は一度もなく、陰で暴言をまき散らした末に非通知で電話が何度かあったことも確認済み。「問題の上司が会社に呼び戻すべく話したいと言っていた」とCEOに知らされたため電話にも応じておらず、全ての証拠はコピー複数を用意した上で、経緯や会社の情報も含め、法律の専門家や関係者に預けてある。本来なら、まずは「すみませんでした」と暴言・名字で呼び捨てでの悪口・報酬減の嫌がらせなどを謝罪した上で、報酬の補填もあるべきだった。

【現状】:フリーランスで仕事中で、現在は前職の2倍の報酬を得ている。以前のように悪口を言われることも、家族につき詮索されることも、同僚の個人情報を聞かされることも当然なく、ストレスもなく好きな仕事を続けている。今の上司は指示も適切で勉強させてもらうことが多々あり、しかも仕事もばりばりこなす人格者で有難く仕事をさせてもらっている。

****************

■職業(フリーランス:女性)
【パワハラ発言】:「あんたの仕事の質が最低だからよ。」

【言われた状況】:本人から直接。外部から依頼された仕事で、いったん完成・承認されたものを納品直前に上司が勝手に手を加えた。そこに依頼人からクレームが入り、その対処について話し合うなか突然「あんたの仕事の質が最低だから」と悪者にされる。納得できない点が多いため説明を求めたところ、上司は周囲から取引先に至るまで「彼女は精神的に不安定」「危険人物だから接点を持たないように」とデタラメな嘘を流布。自分のミスを認めず責任を転嫁され、罵詈雑言で散々傷つけられた末にいきなり契約を解除された。そのあたりは元同僚たちからも細かく伝わっており、パワハラの証拠は十分に揃っている。

【対処法】:関係当局に被害の相談をし、労働法およびフリーランスのパワハラ問題に詳しい弁護士に直接会って相談。違法ポイントをリストアップしてもらい、証拠となるメール、メッセージ、音声(録音済み)、元同僚からのメールなども全て預け、法改正があり次第動けるように策を練ってある。その一方で、弁護士は「この上司はあからさまな嘘を平気で繰り返すあたり、パーソナリティ障害のようなものが疑われる。訴えても精神疾患を理由に逃げ切られるかもしれない」とも言っている。

【現状】:新たな会社で仕事を始め、倍以上の報酬を得て問題なく仕事を続けている。今の上司は自ら進んで大変な仕事をこなし、部下の指導にも熱心である。部下に仕事の全てを丸投げし、それをさも自分の手柄のように話をすり替え、吹聴して歩いていた以前の上司とは雲泥の差。現在の上司には品格と実力と責任感があり、大変尊敬している。

****************

さらに、これ以外にも「隠れモラハラ・パワハラ」と呼ぶにふさわしい被害を受けつつも、何も知らずに会社に残留。自らも知らず知らずのうちに上司のパワハラに加担しているといった珍しいケースも確認できた。例えば「あの人は旦那さんと大喧嘩して暴力をふるわれ、転倒して大腿骨を骨折した」「あの人は精神的に今オカシイ状態。心療内科に行かせようと思っている」などと個人情報や嘘をさんざん流布されているとも知らず、年間365日その上司の下で必死に働き、何を言われても追従。一緒になって暴君のごとく振る舞っているがゆえ、被害者であるにも関わらず部下からは「パワハラ加害者」とみなされているのだ。

また特記したいのは、パワハラに耐えかね弁護士に相談しても、被害者がフリーランスの場合「なら辞めたらよかったと言われるだけ」と突き放されるケースもあるという点だ。しかし専門家にお話を伺うと、職場での侮辱・名誉棄損などについては労働法だけが扱う範疇ではないという。また法は確実に変わりつつある。そして被害者の対応も、泣き寝入りする事例ばかりではない。少なくともこの3ケースでは上層部、弁護士、当局、相談機関などに話し被害の実情をきちんと訴えている点を強調しておきたい。パワハラを受けても泣き寝入りする、苦しんだ末に自らを傷つけるといった行為はまったく不要。被害者は堂々と「こういう被害を受けました」として証拠を提示するべきではないだろうか。

筆者は長く海外で暮らし、帰国後に日本人の「和」を大切にする性質に深く感動した。忍耐力と勤勉な国民性にも改めて驚き感心する一方で、「悪い」ものを「悪い」と言えない、もしくは言わない「妙な律儀さ」には少々辟易した。陰では堂々と上司の悪しき点を指摘するのに、本人の前ではじっと我慢。さらには上司の側についている「ふり」をして職場に残留しているケースもある。直接「こういう点が納得できません」と伝えた末に待っているのが陰湿な嫌がらせであれば、その時には日本にも優秀な弁護士さんがたくさんいること、相談機関は沢山あることを思い出してほしい。そして「このままもめれば無職になる」という不安は、どれほど必要だろうか。仕事は選ばなければいくらでもある。この3ケースのように行動を起こして事態が劇的に改善する、また転職により報酬が倍増するケースもあるというのに、そこで一歩踏み出さないのはなぜなのか。

こういうパワハラケースにつきインタビューを行うたび、「この方の上司は子供にどんな躾をしているのか」と思い心底ゾッとする。「意地悪はしない」「悪口は言わない」「人にされて嫌なことはしない」という躾はできているのだろうか。物には相応しい伝え方・話し方もある。例えば部下が書いた文書や書類をつきかえし「せめて読み返せ」と言うのであれば、「こういう内容を含めてみて」などと具体的に指示・提案をすればいい。また「体もデカいが態度もデカい」などと言う必要など、そもそもあるのだろうか。そういう上司は自分の言動を心底恥じ反省すべきで、小学校で道徳の授業を受けさせてもらい「人生を見つめ直せばいい」と心から思う。

アメリカに居た頃、よく「It’s better not to say anything if you have nothing nice to say.(意地悪しか言えないなら黙っていろ)」という言葉を学校でもよく聞いた。褒めることだけが大事なのではない。正しくないことは指摘して当然だ。しかし余計な悪口や嘘・噂の流布、暴言のたぐいは、低俗極まりない。悪口を聞かされる側も、「この人はこういう人」「私もターゲットになる可能性はある」と意識しておいたほうがいい。

相手と同じレベルになって言い返すのが得策とも思わない。同じレベルまで堕ちて喧嘩する意味も価値もない。ただ明らかに酷いことをされたり言われたりした場合、「それは違うと思います」と言う勇気を持つのは良い事だと思う。それで「和」や「ハーモニー」がぶっ壊れるというのなら、そんなものは「くそくらえ」と言いたい。



(Kayla星谷/エトセトラ)

【こちらの記事もどうぞ】
【パワハラ被害者の声】「大嘘つき」 契約書さえなく1本100円で書かされた若手ライターも
【パワハラ被害者の声】重要な相談をしてトップの逆鱗にふれ、突然クビに
あなたの上司は駄目ボスか? 悪い上司の決まり文句と傾向を分析
日本の職場でも? 上司の嫌な行動ワースト10 米
アメリカ人が上司を訴えるケース 3つの主な理由とは?