<世界旅紀行>『ウィンブルドン2019』その2 あの男が出ると…5時間の死闘

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女子シングルス決勝戦へ。ワクワク…!(Photo by 朝比奈)
女子シングルス決勝戦へ。もうワクワク…!(Photo by 朝比奈)

~目標は世界遺産・厳選52か所の制覇~

Ballot/バロットと呼ばれる抽選に「当選した~~!」という連絡をロンドンの仲間からもらい、すぐにブリティッシュ・エアウェイズの航空券を購入。ついに念願叶って『ウィンブルドン大会2019』をNo.1コート&センターコートで観戦してまいりました。センターコートでの決勝戦では、何かと話題のあのロイヤルファミリーもバッチリ拝んできましたよ。それから試合としては、男子ダブルス決勝が最高でした。今回はそのあたりについてお伝えしてまいります。



そういえば、今年になってNo.1コートにもセンターコート同様の開閉式の屋根がつきました。

No.1コートにも今年から屋根が(Photo by 朝比奈)
No.1コートにも今年から屋根が(Photo by 朝比奈)

雨天にも暗さにも対応。この時期にしか使われないというのに、本当に選手思いのウィンブルドンです。下はセンターコート。屋根がゆっくりと閉じていく様子です。

閉じて行くセンターコートの屋根(Photo by 朝比奈)
閉じて行くセンターコートの屋根(Photo by 朝比奈)

■7月11日 ~No.1コートで男女ミックスダブルスを観戦~

筆者は何気にダブルスが好きです。理由は、動体視力がハンパない選手ばかりなのでボレーがそう簡単には決まらず、試合時間がとても長くなることです。それは男女混合となるミックスダブルスでも同様。男性は女性が相手でも容赦なく強いサービスとボレーを叩きこんでくるし、女性も決して負けていません。どちらも思い切りプレーしています。そういうところが、見ていて本当に清々しいのです。

この日印象的だったのは、第8シードながらロラン・ギャロに続いてウィンブルドンでもミックスダブルスで優勝を果たした、イバン・ドディグ(クロアチア)/チャン・ラティーシャ(Yung-Jan Chan/台湾)が、第5シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/クベタ・ペシュク(チェコ)を7-5 6-4で下した準決勝でした。

おめでとうございます! 画像:『Women’s Tennis Association』
おめでとうございます! 画像:『Women’s Tennis Association』

とにかく目立ったのがアジアの超美人プレイヤー、チャンさんの活躍。ドディグが時々情けないミスを犯し、すると彼女は励ますばかりか「お返しよ!」と次のポイントをガツンと取りに行きます。会場からもチャンさんのパワフルなプレーに割れんばかりの拍手が何度も起きていました。

■7月11日 ~No.1コートで男子ダブルス準決勝を観戦~

男子ダブルスは、フランスのニコラ・マウー/ロジェー=ヴァセランがイワン・ドディグ(クロアチア)/フィリップ・ポラセク(スロバキア)を下した試合を観ました。

男子ダブルスはもう大迫力です(Photo by 朝比奈)
男子ダブルスはもう大迫力です(Photo by 朝比奈)

■7月13日 ~センターコートで女子シングルス決勝を観戦~

セリーナ9勝、ハレプ1勝。誰もがセリーナ優勢と思っていました(Photo by 朝比奈)
セリーナ9勝、ハレプ1勝。誰もがセリーナ優勢と思っていました(Photo by 朝比奈)

メーガン妃が親友セリーナのためにアーチー君の育児を放り投げて(!)貴賓席から応援していました。グリーンなキャサリン妃の後ろには、白いブラウスが素敵なマルチナ・ナブラチロワ選手が座っていました。2014年からのパートナー、元モデルで元ミス・ソ連という実業家のユリア・レミゴワさんと仲良く観戦です。

貴賓席の豪華すぎる皆様(Photo by 朝比奈)
貴賓席の豪華すぎる皆様(Photo by 朝比奈)

筆者はラリーやポイントが入った時以外は、じ~~~~っとメーガン妃の様子を見続けていましたが、よく喋る、よく喋る、本当によく喋る人です。

よく喋るメーガン妃にびっくり(Photo by 朝比奈)
よく喋るメーガン妃にびっくり(Photo by 朝比奈)

自分の左に座ったピッパさん(キャサリン妃の妹)、右に座ったキャサリン妃とお喋りばかりしていて、セリーナの対戦相手であるハレプ選手の好プレーに会場から大きな拍手がわき、自分までつられて拍手して慌てて手を止めた、なんてことが何度かありましたから。「メーガン妃がセリーナの試合を応援」とよく報道されていますが、筆者の目には、祈るような表情で親友を応援している女性という感じには見えなかったです、正直なところ。

メーガン妃が背後からセリーナを応援(Photo by 朝比奈)
メーガン妃が背後からセリーナを応援(Photo by 朝比奈)

この試合、ルーマニア出身のシモーナ・ハレプ選手(27)を応援する観客がとても多かったようです。球をネットにひっけることが続いたセリーナは、意識しすぎてその後はバックアウトを連発。ずるずるとミスが続き、親友だというメーガン妃にもあまり良いところを見せられないまま、結局ハレプ選手が6―2、6―2でセリーナを下し、初優勝を飾りました。ハレプ選手が見せた無尽蔵のパワー、強烈で正確なストロークはセリーナに女子テニス界の「世代交代」をより強く感じさせたに違いありません。

表彰式では、準優勝なのに始終笑顔だったセリーナ(Photo by 朝比奈)
表彰式では、準優勝なのに始終笑顔だったセリーナ(Photo by 朝比奈)

悔しいでしょうに、でもどこか晴れ晴れとした表情で笑顔もいっぱい見せてくれた表彰式のセリーナ。ハレプ選手にしっかりと拍手を送っていました。

セリーナ、母の貫禄と優しさでしょうか(Photo by 朝比奈)
セリーナ、母の貫禄と優しさでしょうか(Photo by 朝比奈)

彼女のプレーを間近で見ることが出来て、テニスが大好きな私は本当に幸せでした。健康で上を向いて歩いていれば人生必ず良いことがあるものだなぁ~と、いろいろな意味で感謝の気持ちでいっぱいになりました。



いくつもの非常にタフな試合を経てきていることもあり、ストレート勝ち(=ストレート負け)など、あっさりと勝負がつくのも仕方がないこと…と思っていたのですが、続く男子ダブルスの決勝戦は「死闘」とも呼ぶべき最高の試合となりました。

■7月13日 ~センターコートで男子ダブルス決勝を観戦~

対戦したのは、ともにコロンビアのフアン・セバスティアン・キャバル/ロベルト・ファラと、ともにフランスのニコラ・マウー/ロジェ=ヴァセランでした。13本のサービスエースをとり、ファーストサービスが入ると72パーセントの確率でポイントを獲得したとのちほど報道で知りましたが、本当にキャバル/ファラ組は強かった。パワフルでミス知らずで、おまけにチャレンジ(インかアウトか怪しい時にコンピューターに判断させるシステム)でも、ほとんどが彼らに味方していました。

こちらも、途中から「このペアの方が勢いがあるな。勝つかも」という気になってしまいました。やっぱりキャバル/ファラ組が優勝。おめでとうございます。コロンビア人選手として初のグランドスラム大会・男子ダブルス優勝で男子ダブルスの世界ランキングも1位になったそうです。

筆者のちょっとした宝物になったバスタオル(Photo by 朝比奈)
筆者のちょっとした宝物になったバスタオル(Photo by 朝比奈)

ところで、ラリーが続きまくるダブルスでスコア(カッコはタイブレークのポイント)が6-7 (5-7), 7-6 (7-5), 7-6 (8-6), 6-7 (5-7), 6-3。これ、すごくないですか? 筆者は1度だけトイレに行った以外は飽きもせずじっと観戦していましたが、なんと4時間57分の死闘となりました。マウーという選手が出ると、やけに試合が長くなるのをご存じでしょうか。

彼は2010年のウィンブルドン男子シングルスにおいて、米国のジョン・イズナー選手と対戦。まだ一回戦だと言うのに2日連続で日没を迎える接戦となり、試合開始から計11時間5分にやっと終了(イズナーが第5セットを70-68で取る)という、史上最長の死闘を繰り広げた選手です。

ウィンブルドン博物館にもその時の写真がパネルで展示されています
ウィンブルドン博物館にもその時の写真がパネルで展示されています

じつはこの試合、大きなアクシデントが一度ありました。顔面に相手のボレーが直撃し、マウーさんがうつ伏せに倒れこんで1分間以上動かなくなってしまったのです。

ボールが額に当たってコートに倒れるニコラ・マウー選手(© GLYN KIRK / AFP)
ボールが額に当たってコートに倒れるニコラ・マウー選手(© GLYN KIRK / AFP)

試合は中断となり、もうプレーは無理かなと思っていました。しかし、ロイヤルファミリーもテニス界の大御所も著名人も皆さん観戦ということもあり、マウーさんも「男気」を見せました。彼は仕切り直しのジャンプとともに元気にコートに戻ってきてくれましたよ。

頑張れ、フレンチ・ペア!(Photo by 朝比奈)
頑張れ、フレンチ・ペア!(Photo by 朝比奈)

ここからはフレンチ・ペアの応援というムードがどんどん高まっていったように感じました。

もしもこのアクシデントがなかったら、マウー/ロジェ=ヴァセラン組が優勝していたかもしれません。負けが決まった瞬間、ロジェ=ヴァセラン選手がオイオイと泣き崩れてしまい、その肩を抱いてマウーがしばらく慰めていました。謎の多い彼の私生活について、ちょっとだけ触れますね。



ペアを組んだロジェ=ヴァセラン選手は優男系のイケメンですが、マウーさんは実はとてもオッカナイ顔をしています(ガオーッ系の)。そして、この選手はたびたび表彰式で幼い息子さんを抱きしめてテレビに映っています。ソーシャルメディアを見る限りマウーさんには友達がいっぱいる様子ですが、なぜか奥様はほとんど写っていません。

彼の奥様は、ひと回り以上年上のヴァージニアさん。フィットネス・インストラクターだったそうで、2人の息子さんは現在8歳です。「もう一人子供がほしい」と夫に何度言われても「イヤよ、断るわ。私一人で育てることになるだけだし、そんなのはゴメンよ」と突っぱねてきたというヴァージニアさん。遠征だらけの夫とは常に離れ離れで、自分の生活を確立していることもあり、完璧なすれ違い夫婦だそうです。ちなみに、マウーさんは11時間5分もの死闘を繰り広げたアメリカのイズナー選手と大の仲良しだといいますが…。

国内外もうあちこち遠征だらけで自宅にいない、そんなスポーツ選手の妻たちは本当に大変そう。特に子供ができて学校に入ったら帯同なんてしていられませんから、浮気も多々されてしまうのでしょうね。実は甘えん坊な男性アスリート。いろいろな意味で安心感があり、頼れてよく話を聞いてくれて、いつも優しく慰めてくれる年上の女房を持つことは、スポーツ界では「うらやましい」と言われることも多いらしいです。

次回は、ウィンブルドンやロンドンで楽しんだグルメやショーについてとなります。どうぞお楽しみに!

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(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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