【パワハラ被害者の声】重要な相談をしてトップの逆鱗にふれ、突然クビに

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「一時はPCを見ることもイヤになった」とBさん(画像はイメージです)
「一時はPCを見ることもイヤになった」とBさん(画像はイメージです)

日本でも職場問題が大きく取沙汰されるようになってきましたが、アメリカでは何年も前からたびたびメディアが陰湿かつ悪質な上司が職場でもたらす問題を取り上げ、その対処法や法的手段につき報じてきました。当サイトでも、被害者の生々しい訴えをしっかりと伝えていきたいと思っています。



こちらで今月20日、ある雑誌社にフリーランス・ライターとして雇われていた男性Cさんの、パワハラの末の職場追放という被害経験をお伝えしました。そのCさんが、かつての同僚で、やはり同じ上司によりクビを言い渡された女性に連絡をとってくれました。スカイプでインタビューすることができましたので、お伝えしたいと思います。

国際結婚により、米東海岸の都市に暮らしながら二女の子育てに追われているというBさん。彼女もCさんと同じように、外部ライターを募集している雑誌社の求人記事をインターネット求人サイトで見つけました。日本の大手メディアで働き、執筆していた経験が買われてすぐに採用されたそうです。ところが…。
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朝比奈:子育てでお忙しい中、このようにインタビューに応じていただきまして、ありがとうございます。辛いご経験を思い出すのは何年経っても不愉快なものですよね。どうかお許し下さい。

Bさん:大丈夫です。もう完全に回復しています。日本を離れる前に別の2社を経験していましたので、3社目のあの編集長の元ではそう長く仕事できないかもしれない、と薄々思いながら執筆をしていましたから。

朝比奈:そうなのですね。手前の2社とは、どのように違ったのですか?

Bさん:先の2社はいずれも編集長が男性で学歴も立派な方たちでした。すべてがビジネスライクで連絡そのものもサバサバしていて、きびきびと仕事に打ち込めました。渡米や結婚があって、その後に問題の3社目に…。そこは編集長が女の人で感情的。低レベルの女子高のノリでした、まるで。

朝比奈:女子高のノリとは具体的にはどんな感じなのですか?



Bさん:そうですね。あの人にああ言われたからムカついたとか、スタッフだろうがライターだろうがとにかく誰もが悪口の対象になっていました。AさんにはBさんの悪口を言い、でもCさんにAさんの悪口を言う、そんな感じでした。仕事のデキは度外視で。こういうの、あとで結構バレるんですよ。なんだかんだでライター同士は仲が良いですから。

朝比奈:口が軽いトップというのは困りますね。

Bさん:そう、本当にひどいものでした。スタッフやライターに関して、社長や編集長しか知らないプライベートなこと、家族のこととか出身大学、以前の職業とか収入までお構いなしに話してしまうんです。多分私のことだって、あれこれと言っていたんじゃないかなと思います。

朝比奈:Cさんから、Bさんはいきなりクビにされてしまったと伺いました。具体的にどのような状況だったのでしょうか?

Bさん:著作権の侵害行為について世の中がいっきにうるさくなっていましたから、コピペとか絶対禁止だし、語順を変えてもやっぱり文章のパクリはバレたりしていました。私たちの執筆も結構危険な域に入っていたため、もしも権利所有者に損害賠償請求されたら誰が責任を取るのか心配になり、ある時、編集長に「あちらに尋ねて事前に了承をいただいてみたら良いのでは。あるいはネタ元を明記するとかした方が」とメールで相談したことがあるのです。すると、なぜか「体が震えるほどあなたに怒りを感じます」という返事が来て、数日もなくクビに…。謝罪したのですが、無視されました。

朝比奈:人をまとめながら仕事をする立場なのに、そんなことで激怒するなんてずいぶん子供っぽい方ですね。しかも貴重な忠言だったはずです。

Bさん:「上の立場の私にモノを言うなんて生意気な。許さない」といった感情をむき出しにしたメールが来ました。怒りに任せて私をクビにしたのだと思います。

朝比奈:なるほど…ひどいですね。ご体調を崩されたと伺っていますが…。



Bさん:そうです。夜もあれこれ考えて全く眠れなくなりました。なぜ、この程度のことでクビになってしまうのかと…。もうパソコンを開くのもイヤになってしまって…。

朝比奈:本当に辛かったことでしょう。すべて自分の意のままにコントロールしたがる人って、チームも自分のイエスマンだけでまとめようとしますからね。

Bさん:でもやっぱり大人の集まりですから、彼女に絶対服従って感じのスタッフが1名いましたが、ほかの方たちは「大人げない人」みたいな目で見ていたように思います。

朝比奈:そうだったのですか。信頼関係を構築できない上司の下では「お金のためだけに働く」と割り切る人も多いですよね。ところで、Bさんのそのひどい落ち込みは、幼いお子さんを育てていらっしゃるだけに、ご主人を心配させませんでしたか?

Bさん:はい。すごく心配してくれました。すべて隠さず話したところ「そんなヒドイ話はあるか」ということになり、主人は激怒するし、義父は自分が懇意にしている弁護士を紹介してくれました。「裁判費用は僕が払ってもいいよ。こんなにもプライドを傷つけられたんだ。Bが納得するまで闘えば良い」と。ただ、バカ高い費用を払って日本とアメリカを何往復もして争うのもバカバカしいと思い、アクションは起こしませんでした。すると主人は、「人を傷つけることを平気で繰り返し、反省すらしない人間には必ず天罰が下るから」と言ってくれました。

朝比奈:それで納得しましたか? 現在はもう諦めていらっしゃるのですか?

Bさん:私もその弁護士さんからあれこれと学びました。国が離れていても条件が整えば法的措置を取ることは可能だし、示談に持ち込めば日米を往復する必要もないと聞いています。なので、諦めているわけではありません。当時のメールや元の同僚たちから入ってきた情報は全てキープしています。ただ子供たちが幼いので、そういうことにあまり今は関わらないようにしているんです。それから、あの編集長は性格が激しいため、Cさんや私ばかりか多数の敵を作っていると思うのです。そういう人間はいつか必ず痛い目に遭うでしょう。ふとSNSをやっていることを知り、動画なども何本か見ましたが呆れましたね。ご主人もお子さんもいるのに、お酒に酔った真っ赤な顔で最近は恋も仕事もうまく行っていない、ひとりでヤケ酒だみたいな嘆き節を被害者っぽくタラタラと…。よその家庭を壊そうとしたけれど、うまく行かなかったという話も聞こえてきてます。罪悪感や常識のなさにも愕然としましたが、フォロワーのなかには仕事関係の人たちもいるのでしょう? あんな動画見たら皆さんがどういう印象を抱くのか、そこまで考えられないんでしょうかね…。

朝比奈:本当に恐ろしい方ですね。しかし会社のトップは何をしてたんでしょうか、不甲斐ないですね。



Bさん:小さな組織で、親会社から出向の社長さんなんてお人形同様でした。存在感薄すぎて。何しろ報酬についての相談も編集長にするような会社なんです。ボリュームにもよるのですが、以前の会社では1本の記事につき5000円ほどいただいていたのに、その会社はすごく報酬が低かったのです。「せめて3000円はいただきたい」と正直に問いかけて、関係が悪くなっていったというか。そのあたりから編集長に冷たくされるようになった記憶があります。

朝比奈:うわ~~、その編集長は自分だけたっぷり取っていたりして…。

Bさん:そうだと思いますね(笑)。私的流用とかあっても、あの会社の体制だとズルズル適当に誤魔化しやすいでしょうし。

朝比奈:本当に色々とあったのですね…。Bさんは、また今後にお仕事を探されるご予定はあるのですか?

Bさん:いえ、今は子育てに専念しながらたいと思っています。下の子が小学校に入ったらまたどこかでと思いますが、当分は…。

朝比奈:そうですか。大変なご経験をされた分、ヒーリングとかリフレッシュの期間が必要ですよね。Bさんはとても素晴らしい経歴をお持ちですから、それを武器に必ず業界に戻られることと、こちらも楽しみにしております。労働条件の悪さもあり、パワハラに負けてしまったフリーランス・ライターは日本にもいっぱいいます。最後に、そんな方たちに何かアドバイスをいただけますか?

Bさん:理不尽な上司にあれこれ攻撃されたら、すぐに信頼できる友人や家族を味方につけることかなと思います。包み隠さず事情を話すと、私の場合は皆が手を差し伸べてくれようとしました。フリーランスだから労働法に守られないとはいえ、信用棄損、名誉棄損など人権上の観点から訴えることができると詳しく教えてくれたのです。とはいえ、まずは労働局に相談。続いて弁護士に相談でしょうか。

朝比奈:ご友人の反応はどんな感じでしたか?

Bさん:自分が以前在籍していた大手メディアの同僚たちには全部暴露しました。すると皆が「あそこのトップって最低な人間だったんだね」と驚いてくれて。それだけでも話した価値があると思いました。しばらくしたら「その編集長のこと知ってるという人がいましたよ~。すごく酒癖が悪いという話です」と教えてくれた人もあり、メディアの人たちは結構つながっていて、それぞれの噂話をしているのかとびっくりしました。

朝比奈:それは痛快。業界のゴシップとして、めぐりめぐっていつか本人の耳にはいるかもしれませんね。Bさん、ほかにどなたかパワハラ被害に遭った方をご存じでしたら、是非ともご紹介くださいませんか。このようにインタビューさせていただければ幸いです。

Bさん:そうですね。2人くらい知っています。今度声をかけてみます。

朝比奈:お忙しい中を、本日は貴重なご経験談をシェアしてくださいまして、Bさん、本当にありがとうございました。

【インタビューに応じてくださったBさんが危害を受けることのないよう、インタビューの途中に時折出た企業名や個人名は、Bさんのご了承を得て省略・削除しました。ご了承ください。】

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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