【パワハラ被害者の声】体調まで崩し辞職するも転職に大成功したケース

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ぐっと我慢して働き続ける。それで本当に報われるのか…。(画像はイメージです)
ぐっと我慢して働き続ける。それで本当に報われるのか…。(画像はイメージです)

日本でも職場問題が大きく取沙汰されるようになってきましたが、アメリカでは何年も前からたびたびメディアが陰湿かつ悪質な上司が職場でもたらす問題を取り上げ、その対処法や法的手段につき報じてきました。当サイトでも、被害者の生々しい訴えをしっかりと伝えていきたいと思っています。今回は日本のある雑誌社にフリーランス・ライターとして雇われていた男性の、パワハラの末の職場追放の被害経験となります。スケジュールが合わず、今回はスカイプ電話でお話を伺いました。



その男性(以下Cさん)はインターネット求人サイトで、外部ライターを募集している雑誌社の求人記事を見つけました。Cさんは自身で2つのウェブサイトを立ち上げ、管理していた実力があり、ウェブライターとしての経験もあることからすぐに採用されました。しばらくは充実した毎日を送っておられましたが、事実上のトップともいえる女の上司によるいじめの標的になり、やがて職場を去ったそうです。その経緯につき、じっくりとお話を伺うことができました。
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星谷:今日はインタビューに応じていただき、ありがとうございます。大変な目に遭われましたね。

Cさん:はい。今思い出しても腹が立つことばかりなんですが、あの会社への苛立ちや怒りがモチベーションになって今の自分があるので結果オーライ。辞めて良かったとも思っています。

星谷:今のCさんご自身とおっしゃいますと…?

Cさん:そこを辞めた後、別の会社でライティングを始めたのですが、そこが廃刊になりました。現在は日本ではけっこう有名な雑誌社で働いています。

星谷:結局はステップアップされたのですね。すごいですね!

Cさん:そうですね。自分でも嬉しく思っています。今の会社は組織としても大きいので報酬も良いのですが、何よりライターに敬意を払ってくれるというか、居心地がいいんです。4社も経験すると、ライターを大切にしてくれる会社とそうでない会社の差がはっきりと分かります。今回お話する2社目の雑誌社は、編集長を名乗る女のトップが常に上から目線でライターを仕切っていました。「書かせてやってる」「皆、アタシに感謝しなさい」的な…。

星谷:その2社目では、パワハラという点で具体的にどのような被害を受けられたのですか?

Cさん:被害そのものは簡単に言えば仲間外れ、心外な配置転換と追放でした。

星谷:仲間外れとは子供っぽい話で驚きますね。どのようなことが起きたのか、差支えのない程度に教えてくださいますか。

Cさん:執筆のルールというのは時々変わる、新しいものが加わることがありますよね。ところが僕だけなぜかそういう説明をしてもらえなくて、間違えては編集作業を担当するスタッフに怒られるんです。「そんな説明、聞いていません」と言ったところ、いきなり編集長による仲間外れや陰湿な嫌がらせが始まりました。

星谷:陰湿な嫌がらせですか…?

Cさん:そうです。酷いもんでした。あからさまで。

星谷:例えばどんなことをされたのですか?

Cさん:急にいろいろな所で無視されるようになったんです。スカイプを使ったオンラインでのミーティングにも呼ばれなくなって、どうしたんだろうと思っていたら、ある後輩がこっそりと情報を教えてくれたんです。編集長が「Cは男だからちょっとやりにくくて。できれば編集部は女だけで固めたい」と言っていると。

星谷:そんなことがあったのですね。情報が入ってきた点は良かったですね。

Cさん:最終的には、編集長は僕の書く記事をある有名ニュースサイトからのパクリだ、後追いばかりで価値がないと厳しいことを言うようになりました。そして「今日からライターとしてではなく、営業部員として働け」と命じられました。広告代理店に毎日いっぱい電話をして、広告を載せていただけませんかとお願いする仕事です。数ヶ月もなく不満が募りました。自分はやっぱりライティングが好きですから。すると「文句があるなら辞めたらいい」と。あっさりクビになりました。

星谷:めちゃくちゃですね。そういう営業の要員がいなくて、たまたまCさんがいいように使われてしまったということはないんですか?

Cさん:それもあったと思います。当時の営業スタッフはたったの3名って感じでしたから。ただ、僕は「男だからやりにくい」とか言われる以前に、悪いものは悪い、おかしいものはおかしいという性格なので、イエスマンだけを欲しがる編集長にしてみれば煙たい存在だったのでしょうね。

星谷:Cさんだけが被害者ですか?

Cさん:ほかにも2人知っています。1人はアメリカ在住の僕より少し後に入った女性ライターで、編集長に著作権侵害行為に関して大事なことを相談したところ、「面倒くさいことを言い出した」とばかり逆鱗に触れてしまい、罵声を浴びた末にクビにされていました。もう1人は若い男性ライターです。報酬が低いので、「昇給はあるんですか」と編集長にちょっと質問したところ怒ってしまったらしくて、クビになったとメールをくれました。とにかくキレやすい人なんです。

星谷:その方々とは今も仲良くしていらっしゃるんですか? できればコンタクトをとって、お話を伺ってみたいのですが…。

Cさん:いえ、2人ともその後のことはわかりません。女性ライターさんは最後にメールで編集長からの激しい攻撃にあい、精神のバランスを崩してしまったと聞いています。若い男性ライターも編集長と決定的な衝突があったらしくて、「これじゃ時給数十円だ。安くコキ使いやがってふざけんな。ガキの使いじゃあるまいしって言ってやった」というのが最後のメールでした。



星谷:色々とあったのですね…。ところで、Cさんは辞めてもすぐに気持ちを切り替えて、前向きに次の仕事先を探すことができましたか?

Cさん:いえ、すぐになんて無理ですよ。僕だって辞める際には心無い言葉をたくさん吐かれましたから、しっかり心は折れました。でも、以前同僚だったライターに相談したところ、「ああ、あそこは辞めて正解だよ。業界の評判も悪いし」と言われ、報酬もかなり低かったため悔いがあまり残らずに済んだ感じです。これがもしも大手で報酬が高かったら、いつまでも悔しさが尾を引いたかもです(笑)。

星谷:体調に何か影響は出ませんでしたか?

Cさん:出ましたね、ひどいものでした。胃痛で眠れない日が続いたり、頭痛もあって…。毎日薬を飲んではごまかしてました。でも次の仕事先が見つかったとたんに環境も良くなって、嘘のようにケロッと治りました(笑)。やっぱりストレスは大敵だなと…。

星谷:病院で診断書は出していただきましたか?

Cさん:もちろんです。いつか時期をみてあの会社をパワハラで訴えてやろうと思ってますから、ちゃんと診断書も証拠としてキープしてあります。

星谷:何科を受診されたのですか?もしよければ教えていただきたいのですが…。

Cさん:心療内科です。いっぱつで「職場のストレスによる鬱」と言われて、その日のうちに診断書も出してもらいました。

星谷:そうですか。ずいぶん大変でしたね。ちなみにその雑誌社のライターさんの勤続年数は、平均どれくらいなんでしょうか。

Cさん:人によりけりです。要は編集長のお気に入りの状態が続くかどうか、です。少し前にベテランのライターが続々と辞めてしまったようで、何があったのか、そのうちの一人からメールでちょっとだけ聞いてます。

星谷: 結構ライターの皆さんてメールで繋がってるんですね。

Cさん:まあ、何かあった時だけ「ちょっと報告させてください」「聞いてください」なんて感じで、愚痴をこぼしあうと言いますか。細くつながっている感じはありますね。僕は今、日本のエンタメの方で頑張っているんですが、記者会見の時とか待ち時間がとにかく長すぎるため、自然と記者同士が仲良くなったりしています。A社は編集長の知的レベルが高いとか、B社の編集長はFラン卒だからクオリティが低いとか、C社の編集長は社長の愛人だとか、皆さん、知っている限りのことを結構バラしまくってますね。報酬についてもです。

星谷:なるほど…そうやってストレスのガスを抜くことは大切ですものね。

Cさん:そうですね。2社目で不快なことをいっぱい経験したのですが、3社目、4社目を知ったことで、いかに2社目がダメな会社だったのかがわかり、客観的に見ることもできて、「あそこの編集長は業界でも評判悪いらしいよ。報酬もそんなに低いんじゃ辞めちゃえ」と言ってくれた元の同僚にすごく感謝しています。

星谷:労働条件の悪さもあり、パワハラに負けそうになっているフリーランス・ライターはいっぱいいます。最後に、それでも長く頑張っていくための秘訣などを教えていただけますか?

Cさん:ライターは孤軍奮闘というイメージが強いのですが、同僚ライターとのつながりや情報交換を大切にした方がよいと思います。そして精神のバランスを崩し、不眠になり、体に不調が現れるまで頑張ったりしてはよくない。その会社はさっさと諦めて辞めるべきです。仕事がなくなって困っているAさんを経験者ライターを探しているB社に紹介する、なんてこともあるのですから。

星谷:本当にその通りですね。貴重なご経験談をシェアしてくださいまして、Cさん、本日は本当にありがとうございました。

【インタビューに応じてくださったCさんが危害を受けることのないよう、インタビューの途中に時折出た企業名や個人名は、Cさんのご了承を得て省略・削除しました。ご了承ください。】



(Kayla星谷/エトセトラ)

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