上司が卑怯で大嘘つき いじめに耐え兼ねたターゲットはどうするべきか

いじめは職場における大きな問題だ。人の入れ替わりが激しい会社にはキツイ労働環境、待遇の悪さなど問題はいろいろあるが、いじめが原因で人が次々と辞めていく場合、労働法も助けてくれないことが多く、辞めた側の心には大きな怒りが残ることになる。意地悪なお局がいるのも困ったものだが、それにも増してボスの質が悪い場合は…!?
北米で事業主・中小企業向けに発行されている月刊誌の『Inc.』。ここでは時おり、リーダーの相談に応じる形でパワハラ問題を扱う優れた記事に出会うことがある。このたびの記事は『卑劣な性格でよく嘘をつき、それにより部下の感情をコントロールしようとするボスと、どう付き合うべきか』をテーマにしたものであった。
そのボスの気に障る存在になり、いじめのターゲットにされてしまった部下のAさん。ボスは彼女を表立って攻撃するばかりか、陰でも同僚を相手にAさんの悪口をあることないこと好き放題しゃべっては嘲笑っていた。しかし、その内容はすべてAさんの耳に入っていた。ボスと表面上はうまくやっている同僚のBさんやCさんがこっそりと教えてくれていたからだ。そして事実とは全く異なる内容の話が多いことにAさんはギョッとなった。
名誉棄損、信用棄損に相当するとして、怒りを抑えながら人事部長に相談したAさん。その選択は正しかった。ボスは部下をひとりとして持たない部署に移動となり、A、B、Cさんらのチームにはもっと優秀で人柄のよいボスがやってきた。Aさんが立派だったのは、決してボスと争わず人事部長に直訴したこと。「もしも正面衝突していたら、必ずAさんはメンタルをやられていた」と精神心理学の専門家は指摘している。
また、人事部長がすぐにボスを別の部署に異動させたことも適格な判断だった。そのチームが会社にとって大切な存在だと判断すれば、彼らを取るか人格もあやしいボスを取るか、答えは明らかだ。後者を残したところでチームがゴチャゴチャになるだけだとし、ボスをすぐに換えた人事部長も高く評価すべきだという。
ただし、そうした卑怯な性格で大嘘つきという人柄の悪いボスについては、自己愛性あるいは境界性などのパーソナリティ障害や、精神疾患の可能性がある。ボスのさらに上司である社長が「彼女は狂暴な性格で思い込みが激しく、怒り出すと手が付けられない。メンタルな問題を抱えているため、注意すればカッとなって死ぬの、殺すのと大騒ぎするから恐ろしい」と言い、ボスの異動に関して及び腰に終わってしまった例も筆者は知っている。
そういう場合は「メンヘラとは付き合い切れない。触らぬ神に祟りなし」として割り切るべし。悔しいが辞職し、心機一転まったく違う会社での仕事を見つける方が良い。新しい仕事に慣れるまでの気疲れやストレスは大きいが、慣れた日には「あの頃のひどいストレスは何だったのか。辞めてせいせいした」と改めて気づくもの。気力も生産性もアップするせいか、気が付けば報酬もかつてより増えている、ということもあるはずだ。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
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