ダウン症の男子が4年制大学を卒業 「門戸を開け入学者を待っている」と大学 米

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画像:『6abc Action News』Student with Down syndrome makes history, graduates from UNLV

身体症状や精神発達にも非常に個人差があり、音楽、書道、美術などの道で素晴らしい才能を発揮することも多いダウン症候群(以下ダウン症)の人々。先天性の遺伝子異常を持って生まれたというだけで色眼鏡で見られてしまうことは非常に残念であり、だからこそ、私たちはこういうニュースを知る必要がある。このほどアメリカで、ダウン症の男子が4年制大学を無事卒業したそうだ。



このほど学位授与式(卒業式)が盛大に行われた米ネバダ州立大学ラスベガス校(以下UNLV)。その中で、真っ赤なガウンと角帽にまけない輝く笑顔を放っていたのが、ダウン症の青年クレイトン・ローズさんであった。強い向学心と立派な成績ゆえ大学に進み、懸命に勉強し、この大学における初めてのダウン症を伴う卒業生となったという。

晴れて学士号を取得したことを証明する卒業証書を取得したクレイトンさんは今、数々のメディアの取材に応じているが、長く苦しいものであったであろうここまでの道のりを、実にサラッとした口調で話している。ダウン症の少年が学士号を目指すことの重要性や意義について尋ねられても、「僕たちはそれぞれ皆が違う人間だからね」と答えるのみで、何の気負いもみせていない。

クレイトンさんを受け入れたUNLVには、知的障害および発達障害を持つ人々のための教育プログラムである“プロジェクト・フォーカス(Project Focus)”がある。UNLVの教授・准教授陣が指導にあたるといい、クレイトンさんはバスケットボール部員たちと並んでスポーツ史も履修し、彼らが試合をする日はその応援に必ず駆け付けた。ほかの学生と同様に学生寮で生活し、食堂で皆と一緒の食事を楽しみ、大量の宿題もせっせとこなし、放送学のクラスでは新しい野球場でのビデオ制作もおおいに楽しんだそうだ。

勉強が好きな息子ゆえ、いつかクレイトンさんが「大学に進みたい」と言い出すのではないかと予想し、内心恐れていたと話す母親のシェリー・ローズさん。そして4年前の初当校の日、車から息子を降ろした瞬間に大きな不安に襲われたそうだ。しかしこの4年間でクレイトンさんは学業ばかりか社会性の面でも飛躍的な成長を遂げ、大学に進学したことは予想した以上に意義があったという。

UNLVのプロジェクト・フォーカスを担当するライアン・ウェナーリンド氏は、『KTNV-TV』の取材に「障がいがあるか否かにかかわらず、ここではすべての学生が同じように学び、研鑽を重ねています」と語り、決して情けをかけたりすることはないと説明する。しかし臆してしまうのか入学者は決して多くはない。プロジェクト・フォーカスには現在25人の学生が在籍しており、卒業生はクレイトンさんが第一号である。

「お子さんがたとえダウン症であっても、高校卒業後に大学進学という道もあるということを知っていただければと思います」と母親のシェリーさん。クレイトンさんは大好きなスポーツに関わる仕事に就きたいとして、現在その道を模索中である。彼の希望に満ちた表情はダウン症を持って生まれた少年少女、そして家族に大きな夢と希望を与えてくれたに違いない。

日本におけるダウン症の少年少女の進学率は、高校の普通科だと1%に届かないほど低いとのこと。しかし1998年には、岩本綾さんという女性が国内で初めてダウン症でありながら4年制大学を卒業する快挙をなしとげていた。詩集『ことばが生まれるとき』なども出版しており、ダウン症を正しく理解し、健常児と平等に接してもらえるよう訴えながら、各地で講演を続けておられるという。



参照および画像引用:『6abc Action News』Student with Down syndrome makes history, graduates from UNLV

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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