猫に引っかかれた14歳少年が統合失調症を発症? ペット由来のパスツレラ菌は怖い 

この記事をシェアする
犬や猫からうつるパスツレラ菌を侮るなかれ
犬や猫からうつるパスツレラ菌を侮るなかれ

犬や猫といったペットを飼う際には、咬まれる・引っかかれる、顔や口を舐められる、排泄物に触れるなどが原因となる、動物由来感染症(ズーノーシス)というものをよく理解し、十分な知識を備えておきたいものである。死に至るような病もあるからだ。このほどある医学誌に興味深い事例が紹介され、物議を醸している。



動物由来感染症のなかでも特に有名なものに「パスツレラ症」がある。これはイヌの75%、ネコの100%が保有しているパスツレラ菌という菌への感染によって人間が発症するもので、飼い犬に噛まれたり引っかかれたりしてできた傷口を通じて菌が体内に侵入する例がほとんど。呼吸器に症状が表れるほか、菌が血管内に棲み付くことで骨髄炎、敗血症、髄膜炎なども引き起こす。

このほど医学誌『Journal of Central Nervous System Disease』に、米ノースカロライナ州立大学獣医学部で感染症を専門とするエドワード・B・ブライトシュベルツ(Edward B. Breitschwerdt)博士により寄せられた論文が非常に興味深いと話題を呼んでいる。そこで紹介された患者は14歳の少年で、飼い猫にひっかかれた後に精神面で変化が起こり、粗暴になった末に自殺を図ったとのこと。「この事例は、パスツレラ菌への感染が統合失調症ほか精神疾患の起因となる可能性を示唆しております」とブライトシュベルツ博士は述べている。

少年の場合は飼い猫に噛まれた後に頭痛、胸痛、息切れ、および頻尿の症状に苦しむようになり、自宅から出たくないとして2年間学校を休学。また幻覚を訴えて感情を爆発させ、家族も手が付けられないほど暴力的になった。自分を「悪魔の子」と呼ぶようになり、殺してやると脅すことも出てきたことから病院を受診したところ統合失調症と診断され、18か月の間に4度の入退院を繰り返した後で自殺を図った。

ブライトシュベルツ博士は脇の下や太ももに猫に引っかかれた傷跡を持つこの少年に、血管内にパスツレラ菌が残っている可能性を感じとり、抗菌化学療法を施したとのこと。これにより少年の様々な症状や問題行動はおさまり、今では完全に回復している。猫に噛まれたり引っかかれたりした時に私たちがとるべき行動は、「温水で患部の汚れや異物をきれいに洗い流し、むしろ少し出血させることが望ましい」とのこと。傷が深い、重症化したと感じたらすぐに病院を受診することが大切だという。

過去には、医学誌『World Journal of Clinical Cases』にカナダ・トロントの60代男性の事例が紹介されたこともある。その4週間前に愛猫に噛まれていた男性が腹痛や悪寒を覚え、2週間で体重が10kgも減るほどのひどい体調不良につき緊急入院。治療の甲斐なく敗血症性ショックに続く多臓器不全で帰らぬ人となった。腹部大動脈には大きな動脈瘤が生じていたが、そこからパスツレラ属の真正細菌「パスツレラ・ムルトシダ」が検出されたという。

また英サマセット州ウィンシャムでは、飼い猫が赤ちゃんの哺乳瓶を舐めたことが原因でパスツレラ菌が付着し、それでミルクを飲んだ赤ちゃんが急性髄膜炎を発症し、死の淵をさまよったこともある。



参照および画像引用:『』(Photo:)

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

【こちらの記事もどうぞ】
故カール・ラガーフェルド愛猫に遺産は不要 実力で年間4億円も稼いでいる
「散歩の犬はすべて口輪をはめる義務」広東省ほかが新条例 愛犬家にますます厳しくなる中国 
中国でネコの「二重瞼」美容整形あとを絶たず コンテストも目的か
疲れが吹き飛ぶ! ひたすら可愛い海外の癒され系動画たち<動物編>
<中国>「マジで?」なイチオシ動画 唐揚げされた魚がビクビクと痙攣!