<元外資系CAその世界を語る>Vol.28 UFOに遭遇するって本当? 見た場合はどう対処するの?

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オフでスイスへ レマン湖の大噴水(Photo by 佐藤めぐみ)
オフでスイスへ レマン湖の大噴水(Photo by 佐藤めぐみ)

~外資系エアラインのCAとして世界81都市に飛んだ日々~

2018年11月、複数の旅客機から「アイルランド沖合の上空で未確認飛行物体(以下UFO)と遭遇」という異例の報告が相次ぎました。UFOって本当にいるの…!? やっぱり飛行機に乗ると遭遇するんだ…!? そう驚いた方も多いのではないでしょうか。今回はUFOを目撃した場合どうなるのか、についてです。



この業界には、パイロットはUFOに遭遇しても“見なかったフリをする”という都市伝説がありますね。網膜や硝子体の疾患で視界に光が走る、視神経に問題がある、幻視を伴う精神疾患がある、ヘンな薬に手を出していないか、そういうことであればパイロットは失職してしまいます。だからUFOに遭遇したとは言わない方が無難、それは自分で自分の首を絞めることになるから…私もかつてはそう信じていました。

ところが、アイルランド沖合の上空でUFOと遭遇との報告がブリティッシュ・エアウェイズ機とヴァージン航空機から相次いだというニュースは、見事にそれを覆すものでした。よほどの確信あってのこと、それがなければ報告するわけはないからです。機長、副操縦士が2人揃って「うわっ、UFOだ!」などと叫んだのでしょうか、想像するだけで、こちらまで緊張してしまいます。

実はパイロットを含むクルーには、フライト中に予期せぬものを発見した場合、すべてを正しく報告しなければならない義務があります。もしかしたらその光は某国から飛んできたミサイルかもしれないし、秘密兵器の実験かもしれない。スクランブル発進した戦闘機か、軍用シャトルによる極秘偵察飛行かもしれない…もっとあります。ハイジャックされた、あるいはエンジンの故障により予定外の飛行を余儀なくされ、空をさまよっている旅客機かもしれないのです。

そのため怪しく飛ぶ光を見かけたら、パイロットは冷静にありのままを報告することになります。ただしパイロットがスマホやデジカメで外を撮影することは実は禁じられています。そのため機体の外側に備え付けられているカメラが“それ”を捉えていない限り、報告時の音声こそ残っても、物的な証拠はナシということになると思います。

1度だけ、フライトの後に「俺、UFOを見たんだ!」と興奮気味に話す外国籍のパイロットがいました。

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