安全性の信頼ゆらぐB737型機 知っておきたい世界のエアライン機材の「古さ」

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どんな機材なのか塗装だけではわからない…!?(画像はイメージです)
どんな機材なのか塗装だけではわからない…!?(画像はイメージです)

このところ、ボーイング737型機に関する大小・航空事故の話題がやけに多い。今月10日、エチオピアのアディスアベバ国際空港からケニアのナイロビに向かうはずであったエチオピア航空302便が離陸間もなく墜落し、乗客乗員の全員が死亡した。この事故を受け、中国政府は国内の各航空会社に「ボーイング737MAX機をまず運航停止に」と要求したが、これは正しい取り組みであろう。今はフライトを自分で選んで予約できる時代である。少しでも快適な空の旅を手に入れるため、私たちはどんなことに気を付ければよいのだろうか。



1年に何度も発展途上国を含めた海外の様々な土地に飛ぶフリークエントフライヤーにとっては、旅客機の安全性はとても気になるもの。機内のアメニティは、機内食は、アルコールは有料かなどと言っていられないような国も多いが、先進国でもたとえば米デルタ航空は「歴史も古いが機材も古い」といわれているためだ。

上手に整備すれば自動車が20年でも乗れるのと同じで、飛行機も25年や30年を越えての使用が可能である。ただし検査基準は年々厳しくなっており、尻もち事故を経験していたり、燃費の悪さや故障件数が目立ってくれば30年を待たずとも引退となっている。こちらは「その基準を満たしている機材に乗せてもらう」「整備陣とパイロットは優秀であろう」と信じるのみである。

それでも、念のために知っておきたいのが世界の有名エアラインが保有する機材の“平均年齢”。塗装が新しくても実は…ということもあるのだ。『Airfleets.net』が1年半ほど前、ナショナルフラッグ・キャリアや格安LCCを含めデータを入手できた範囲で、“Which major airline has the oldest fleet?”として発表したワースト・ランキングは以下の通りである。順位が低い方が機材が新しいということになる。

1 デルタ航空/Delta Airlines 17年
2 エア・カナダ/Air Canada 14.2年
3 ユナイテッド航空/United Airlines 14.1年
4 ブリティッシュ・エアウェイズ/British Airways 13.2年
5 エール・フランス/Air France 12.6年
6 ルフトハンザ航空/Lufthansa 11.5年
– サウスウエスト航空/Southwest Airlines 11.5年
8 KLMオランダ航空/KLM 10.7年
9 アメリカン航空/American Airlines 10.3年
10 カンタス航空/Qantas 9.7年
11 タイ国際航空/Thai Airways 9.6年
12 全日本空輸/All Nippon Airways 9.4年
13 ジェットブルー航空/Jet Blue Airways 9.3年
14 大韓航空/Korean Air 9.2年
15 日本航空/Japan Airlines 8.7年
16 LATAM ブラジル/LATAM Brazil 8.1年
– シンガポール航空/Singapore Airlines 8.1年
18 キャセイパシフィック航空/Cathay Pacific 7.7年
19 イージージェット/EasyJet (UK) 7.2年
20 中国南方航空/China Southern Airlines 6.9年
21 ライアンエアー/Ryanair 6.5年
22 中国国際航空/Air China 6.3年
23 エティハド航空/Etihad 6.1年
– カタール航空/Qatar Airways 6.1年
25 サウディア/Saudi Arabian Airlines 5.9 年
26 エミレーツ航空/Emirates 5.4年
27 中国東方航空/China Eastern Airlines 5.3年
28 海南航空/Hainan Airlines 4.9年
29 アエロフロート・ロシア航空/Aeroflot 4.2 年

ところで、筆者はアメリカで人気の『Orbitz』という検索サイトでフライトの質の評価を確かめることがある。値段も時間帯もほぼ同じで複数のフライトが存在するような人気路線では、このサイトで検索するとそれぞれの利用者から寄せられた平均ポイント(10点満点)が集計されている。さらに“Excellent”から“Poor”として示され、これがおおいに選択の助けとなるのだ。アメニティやエンターテインメント、機内食はどっこいどっこい。乗り継ぎに要する時間(長すぎても短すぎてもダメ)、搭乗ゲートの移動が遠すぎる、ターミナル間の移動が不便などでポイントが下がり、実は機材が古くてガタガタだとぐっと下がるといわれている。

安全面に不安ありと大きく問題視され始めたボーイング737型機。初飛行は1967年4月で多数の改善が重ねられ現在に至っている。そして737 MAXシリーズの初飛行は2016年1月。第4世代の小型ジェット旅客機として燃費の良さが特長である。ところが2017年、英格安航空会社Jet2のボーイング737型機が短期間に相次いで緊急着陸を行っていたあたりから、同機は旅客機としての信頼度を徐々に下げていた感がある。滅多に起きない飛行機の墜落事故だが、筆者がすぐに思い出せるだけでもボーイング737と737MAXばかり近年これだけの事故が報じられていた。

2018年9月1日、モスクワから飛んできたUTエアーのボーイング737機がロシア・ソチ国際空港に着陸したが、滑走路を大きく逸れて川に突っ込んだ後で炎を吹き上げた。奇跡的に乗客18名が負傷しただけで済んでいたが、もしも乗客乗員170名が死亡していたら一大トピックスとなったに違いない。

続いては昨年10月上旬、アイルランドのライアンエアー2機(ともにボーイング737)がスペイン上空で恐ろしいニアミスを起こしていた。万が一の衝突でもあれば、乗客乗員はもちろん、地上においても甚大な被害が出た可能性があった。さらに10月下旬、インドネシア・パンカルピナンに向け、190人超の乗客乗員を乗せてジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港を飛び立ったボーイング737 MAX 8が離陸直後に墜落していた。

さらに今年に入り、先月にはインドネシア・カリマンタン島のスパディオ空港に着陸しようとしたライオン・エアのボーイング737型機が滑走路で脱輪。脇にある芝生の安全地帯にアゴを乗せる姿勢で停止した。幸いなことに死傷者は一人も出ていない。世界のボーイング737と同Max型機がここでいったん運航停止となることを筆者も願ってやまない。



参照および画像引用:『Traveller』Major airlines with the oldest fleet: Are older planes less reliable to fly?

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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