【続報】タイ・バンコクで保護されたサウジ女性、パスポートを取り戻す サウジ政府は「ただの家族間トラブル」

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ラハフさんの無事を世界中が祈る
ラハフさんの無事を世界中が祈る

クウェートから飛んでくるもタイ・バンコクの空港で5日に入国管理局に身柄を拘束され、7日にUNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)の職員により保護されたサウジアラビア国籍のラハフ・ムハマンド・アルクヌンさん(18)。面接した「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」アジア支部の職員により、ラハフさんが家族から受けていた虐待被害の様子が伝えられ、世界の人々が彼女の今後について案じている状態だ。気になる続報をお伝えしたい。



英語が堪能で、サウジアラビアの社会にくすぶるひどい男尊女卑について数々の情報をTwitterで発信しているラハフさん。すでにフォロワーは10万を超えており、海外の政府、難民認定機関、人権擁護団体なども注目を続けている。そんななか、誰もが気になっていたタイ移民局が取り上げたラハフさんのパスポートについて「やっと手元に戻りました」と自ら報告した。

またサウジアラビアから父親と兄弟がバンコクに8日に到着し、話し合いが持たれたもよう。詳しい内容は語られていないが、家族と会って動揺したということはなく、安全な国に逃げたいという気持ちに変わりはないことがその後のツイート内容から伝わってくる。

ラハフさんが出国後に向かいたいと強く望んでいるのはオーストラリアだが、世界中の人権擁護団体の厳しい視線を浴びるなかで同国内務省の広報担当者は8日、「UNHCRの保護下にあることを喜ばしく思っている。本人の悲願ということもあり、オーストラリア入国についてはUNHCRと密接な連絡をとりながら前向きに検討する」などと述べた。ラハフさんはオーストラリアに入国するべく2018年12月6日に発行されたビザを持っていたが、「その有無に関係なく」と人道的な観点からの支援であることを述べている。



ソーシャルメディアで「ラハフさんのビザについてオーストラリアが無効とみなしている」との情報が流れた際には、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のエレイン・ピアソン豪支部長が「政府がビザを取り消すようなことがあれば、非常に心配な事態になる。難民に関する国連条約の加盟国ではないタイに居続けることは安全ではない。早く第三国に向かわなければならないと思う」と意見を述べた。さらにオーストラリアの政治家であるサラ・ハンソン=ヤングさんほかが、「ラハフさんのオーストラリア亡命を認めるよう、UNHCRと協力して迅速に動いて」と政府に対し要望を続けている。

一方で8日、バンコクのサウジアラビア大使館前に構えている記者団に対して短いプレスリリースが配布された。「あくまでも家族間のトラブルが原因であり、政治的な意味を持たない。政府としてラハフさんの国外追放を要求することはない」という内容であった。また、ラハフさんの身の安全が最優先であることに同意するとしながらも、国連組織の保護下に身を置くなどという大それた話になっていることについては違和感がある様子だ。

イギリスでは人権擁護団体が主導する「ラハフさんをオーストラリアに亡命させてあげて」という署名活動が行われており、あっという間に署名者は8万人を超えた。カナダ、アメリカほか欧米諸国で同様の動きがあるという。UNHCRは声明のなかで、オーストラリア行きに関しての結論が出すまでには「5~7日間を要するであろう」と述べている。



参照:『SBS News』Father arrives in Bangkok to visit Saudi woman seeking asylum in Australia

画像:『KATU2』Young Saudi woman leaves Bangkok airport hotel room for temporary admission into Thailand(Photo:Immigration police via AP)

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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