バンコクで身柄を保護された18歳女性 サウジアラビアに生まれた女の子の悲運ここまで

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ラハフさんの無事を世界中が祈る
ラハフさんの無事を世界中が祈る

タイ・バンコクの「スワンナプーム国際空港」で5日、サウジアラビア国籍の18歳女性がタイ入国管理当局に身柄を拘束された事件。事情を聴けば自国の家庭内で虐待に遭っており、逃げるためにオーストラリアの入国ビザを取り、そちらに向かうところであったという。国に戻れば死が待っていると主張する女性。国際的な人権擁護団体が見守るなか、国連職員が7日に女性を保護した。サウジアラビアに根を張る世界最悪とも言われる男尊女卑の精神。これまでも理不尽きわまりない事例がさまざま報じられてきたが、あらためてこの国に生まれる女の子たちの悲運について世界から注目が集まっている。



クウェート航空でクウェートからバンコクに飛ぶも、そこで拘束されたラハフ・ムハンマド・アルクヌン(Rahaf Mohammed Alqunun)さん。接触を図った人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch 本部:米ニューヨーク)」の職員には、「親に望まない結婚を押し付けられている」と訴え、髪の毛を切ったことが親の逆鱗に触れ、半年間も部屋に監禁されるなど抑圧された日常生活であったことを語ったという。

「帰国すれば必ず殺されます」と訴えたラハフさんは、イスラム教を捨てる覚悟だと明言している。また、バンコクのどちらかのホテルに保護されたが詳細は明かされていない。UNHCR、タイ移民局、ラハフさんは今のところ良好で協力的な関係にあるといい、タイ移民局は「父親のバンコク入りに関しては、ラハフさんに帰国の意思がないことから父親との面接を無理強いすることはしない。タイは微笑みの国であり、法の下ではいかなる者も公平で、その人権が遵守されるべきだ」などと述べている。

ラハフさんと面会した「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」アジア支部のフィル・ロバートソン氏は、「彼女にパスポートを返してあげてほしい。有効なオーストラリアビザを持つ以上、そちらへの旅を実現させてあげて欲しい」と強く訴えたが、タイ移民局長は非常に慎重な姿勢をとっており、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)のジュゼッペ・ド・ビンセンティス氏が出向いて7日にラハフさんの身柄を保護。今後に大きな注目が集まっている。

>>>【続報】タイ・バンコクで保護されたサウジ女性、パスポートを取り戻す サウジ政府は「ただの家族間トラブル」

Twitterを通じて自身の思いをアピールし続けたラハフさんは今、激動の48時間で50,000人以上のフォロワーを集め、海外の政府、難民認定機関、人権擁護団体などの注目の的となっている。これからも彼女の言葉を通じて、サウジアラビアの社会にくすぶるひどい男尊女卑、女性たちが味わっている苦痛や屈辱が次々と暴かれていくに違いない。

近年の中東諸国においてムスリムの中でも極右といわれる男たちが支配する国サウジアラビア。女性の地方議員が2015年にはじめて誕生するも、国会議員はまだいない。そして極端な男尊女卑の社会ゆえ、サウジアラビアに生まれた女の子、少女、女性にはロクな人権が認められていない。たとえば男性との会話を許さない、運転を許さない、学校の体育の授業には参加させない、父親や兄、夫の同意のない旅行は禁止、結婚も親の意思で決めるなどが有名である。

さらにサウジアラビアでは一夫多妻制が認められている。男性の浮気がむち打ちで済むのに対し、女性のそれは死刑か終身刑になる。妻が夫の横や前を歩いただけでも怒鳴りつけ、離婚を突き付けるという恐ろしさも影響してか、近年のサウジアラビアでは結婚2年以内の離婚が急増。離婚率は6割を超えているのではないかとの情報もある。



参照および画像引用:『KATU2』Young Saudi woman leaves Bangkok airport hotel room for temporary admission into Thailand(Photo:Immigration police via AP)

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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