<元外資系CAその世界を語る>Vol.24 クルーの出身は世界各国 ビジネス・ファーストクラスへの昇格は?

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ジュネーブのステイで牡蠣を堪能(Photo by 佐藤めぐみ)
ジュネーブのステイで牡蠣を堪能(Photo by 佐藤めぐみ)

~外資系エアラインのCAとして世界81都市に飛んだ日々~

何だかんだ言ってCAはやはり女社会です。私がいたエアラインではフライトごとに乗務するクルーが総入れ替えとなりますから、人間関係はとても気楽でした。でも初対面同士だからこそ、誰が働き者で誰が怠け者なのかブリーフィングではまったく見えてこない。それゆえのちょっとした気苦労も実はあったように思います。今回はそのあたりをお話したいと思います。



■フライトごとにクルーのメンバーが違う

フライトごとにクルーのメンバーが異なるとはいえ、CA同士のちょっとした衝突、ヒソヒソ話など嫌な雰囲気が漂うフライトはもちろん経験しました。そんな時に「このフライトさえ終われば、この人たちとはサヨウナラ!」 そう割り切れるのはとても気が楽でした。ブリーフィングでは感じ良さそうだと思ったクルーが妙に陰険だったり、実際に飛んでみないと“当たりはずれ”はわからないものです。

それとは逆に、機内でいつしか素晴らしいチームワークや親近感が生まれる時もあります。フライトを終えたステイ先でコックピットおよびキャビンのクルーが全員で観光や食事に出かけることもあり、そんな時は機内での面白い出来事やお客様との楽しいやりとりを披露するなど、話題は尽きることがありません。またそれぞれが渡航先の美しい写真をソーシャルメディアにたくさん投稿しているため、アカウントの情報を交換することが多々ありました。

フライト中は非常に真剣で気難しい雰囲気であったチーフパーサーが、いったん飛行機を降りるととても優しくて面白い人だったなんていう嬉しい発見もしばしばで、ベテラン勢はまさにトリビアの宝庫。世界の様々な国のお話を聞くことは本当に楽しいものでした。そのため、今回のチームはとても良い人たちばかりで最高だったぁ~などという時には、「ああ残念…もう1回このメンバーで一緒に飛びたいわね」と互いにハグしながら別れを惜しんだものです。

ロンドンのステイで意気投合したCAとアイリッシュパブへ(Photo by 佐藤めぐみ)
ロンドンのステイで意気投合したCAとアイリッシュパブへ(Photo by 佐藤めぐみ)



■ビジネス・ファーストクラスへの昇格は?

CAの採用、昇格、退職の循環が非常に早いのが中東エアラインCAの実情です。私がいたエアラインは今も新規路線をどんどん拡大し、新しい機材を多数購入していますからCAのリクルートもますます盛んになっているようです。私は在籍たった1年でビジネス・ファーストクラスに昇格させて頂きました。それはとても幸運なことで、先輩方は「以前は昇格するのに2~3年かかっていた」とおっしゃいます。

しかしこれは全員ではありません。エコノミークラスで真面目に働いていると評価されていた者が、次々と異例の昇格を遂げるわけですが、ホスピタリティ精神という意味で最も高い評価を得ているのはやはりアジア人CAです。日本、台湾、ネパール、タイのCAは特に真面目ですから、クルー仲間からも好かれていたように思います。これを会社もきちんと評価してくれるため、ビジネス・ファーストクラスの担当に早々と昇格するのはアジア人CAばかりで、欧米出身のCAたちはかなり遅いように感じました。



■ビジネスクラス以上を担当するようになると、美味しいワインを…!?

エコノミークラスでは赤・白のワインをそれぞれ一種類しか用意しません。ところがビジネスクラスやファーストクラスでは、赤ならシラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、白ならシャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランというように、常に3種類ずつ月ごとに異なるブランドのものが用意されていました。さらに、例えばヨーロッパから飛んできてアジアに向かう乗り継ぎのお客様には、先のフライトで出されたワインとは異なるものを楽しんで頂くような工夫もなされます。クルーはその品種と産地を覚え、ボトルのラベルに書かれている通りの言葉を読みながらグラスにお注ぎします。

開栓してしまったら当然ながら余ったワインは廃棄となります。大きな声では言えませんが、「もったいな~~い!」と下の私たちが言うと、「これ本当に美味しいの。ちょっとだけ味わってみて?」「ひと口だけ飲んでみる?」と言って、コッソリと味見をさせてくれるチーフパーサーもいました。

>>> Vol.25 「クルーの出身は世界各国 やがて見えてくるそれぞれの国民性と苛立ち」に続きます >>>

(佐藤めぐみ/エトセトラ)

★インスタグラム始めました!@etcetera_japan



<目 次>

Vol.1 子供の頃から“スチュワーデスのお姉さん”になりたかった私

Vol.2 こんな皆さんに読んで頂きたいです!

Vol.3 なぜ米国のエアラインを選ばず、中東のエアラインに狙いを定めたのか

Vol.4 地獄の訓練

Vol.5 初めての乗務 泣いて笑って

Vol.6 お客様も色々な方が…王族の乗務、そして男性客のセクハラ

Vol.7 クレームはやっぱり怖い

Vol.8 ロングフライト中のクルー交代制度

Vol.9 整容検査(グルーミングチェック)は厳しい 美容整形はOK?

Vol.10 CAは美の競い合いの世界 人気のコスメはやっぱり…

Vol.11 空飛ぶ美しいオカマちゃんたち

Vol.12 緊張感みなぎる空の仕事 フライト前のブリーフィング

Vol.13 緊張感みなぎる空の仕事 ファーストエイド=救命救急

Vol.14 緊張感みなぎる空の仕事 実は多い各種のトラブル

Vol.15 CAの仕事は危険と健康不安がつきもの

Vol.16 CAになるとイイ思いをすることも多いの? もちろんイエス!

Vol.17 CAになるとイイ思いをすることも多いの? 航空券ほかの優遇制度

Vol.18 大好きなアノ方たちとの極秘2ショットは私の宝物

Vol.19 若い女性だもの恋はしていたい! パイロットとの恋愛は? まさかの不倫は?

Vol.20 若い女性だもの、恋はしていたい! ゼネコンや商社の男性たちとの合コンは?

Vol.21 素晴らしい社員寮! でもインターネット環境は…!?

Vol.22 イスラム教徒の国に暮らすことの真実

Vol.23 日本人CA同士の絆と結束 外出時に利用する交通機関、実は…。

Vol.24 クルーの出身は世界各国 ビジネス・ファーストクラスへの昇格は?

Vol.25 クルーの出身は世界各国 やがて見えてくるそれぞれの国民性と苛立ち

Vol.26 お客様から学んだこと カルチャーショックの連続

Vol.27 お客様から学んだこと 日本人旅行客にみるオバチャンたちのたくましさ

Vol.28 UFOに遭遇するって本当? 見た場合はどう対処するの?

Vol.29 乱気流でわかる揺れやすい席 万が一の時に安全な席

Vol.30 飛行機に乗ること自体が「とても怖い」という方へ

Vol.31 世界の危険な国々

Vol.32 雇用は3年ごとに更新。最初の3年を満了しただけで退職した理由

Vol.33 家族に万が一のことがあった場合は!? 緊急時に帰国は許されるのか

Vol.34 中東の二強エアラインを簡単に比較

Vol.35 CA受験合格に王道なし 学歴は?留学は?スクールは?

Vol.36 CA受験合格に王道なし 留学、そして専門学校の必要性は?

Vol.37 実際の試験はどのように行われたのか

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