<世界旅紀行>『ドイツ』その2 ケルン~リューデスハイム~ライン川クルーズ

~目標は世界遺産・厳選52か所の制覇~
ハンブルクとブレーメンの観光がとても素晴らしいものとなったことを先にご紹介しました。後ろ髪を引かれる思いでブレーメンの街を後にし、中央駅15:44 発の IC2213号に乗り、ケルン中央駅に18:50に到着。ケルンに宿泊した理由は、その大きさに度肝を抜かれること必至というケルン大聖堂のライトアップされた美しい夜景を、どうしてもライン川越しに見たかったのです。
ドイツはやはり鉄道の旅が盛んですから、外国人観光客にとっては「ジャーマンレイル・パス」が大活躍します。1か月の有効期間内に3日から15日の範囲で日数を選択できるフレキシータイプのほか、2015年からは連続した日数を限定することで安くなるタイプのパスも人気で、筆者はこれを利用しました。
ケルンに続いては、高速鉄道 ICE(Sprinter121 Frankfurt(Main)Hbf 行き)でフランクフルトへ移動。ここの駅前から出発するライン川クルーズ&リューデスハイム観光のツアーに参加するためで、残念ながらフランクフルトでは何も観光らしいことをしていません。ドイツの美味しい食べ物といえばフランクフルト…この街はさぞかし有名だと思いきや、「そういってわざわざここを観光していくのは日本人だけかもよ。とりあえずご飯を食べにショッピングに出て、レーマー広場だけ写真に収めてきたら?」という残念な意見まで入ってしまいました。そんなわけはないと思うのですが…。
<ケルン>
ケルン中央駅からすぐの「イビス・ホテル/ケルン・アムドム」にチェックイン。ケルン大聖堂の迫力の夜景を撮影するため、ライン川の対岸までは、鉄橋らしい鉄橋といった感じのホーエンツォレルン橋をてくてくと歩いて移動しました。

いくら歩いても背中から覆いかぶさってくるかのように見えるケルン大聖堂の存在感は圧巻です。そして永遠の絆や結束を意味するのでしょう、橋には恋人たちがロックした無数の南京錠が吊るされていました。南京錠だけで重さが2トンあるのではないかとのことです。

ところで、この銅像を過ぎたあたりから夜景撮影の絶景ポイントとされる部分に着くまで、対岸の夜道は結構怖いものがありました。ギラギラした目の男たちが3人くらいでたむろしていたりするので、女性の独り歩きは絶対におススメできません。

値段は高いのですが、1人旅の場合は最初から対岸にホテル「ハイアットリージェンシー・ケルン」がありますので、そちらに宿泊した方が安全かもしれません。それでも絶景ポイントに到着すればまず安心。そこでは恋人たちがいっぱい繰り出しており、コンクリートの階段に座ってケルン大聖堂とホーエンツォレルン橋が織りなす素晴らしい夜景を眺めながら、愛を語り合っていました。ロマンチックですね。
<ケルン大聖堂>
翌朝はケルン大聖堂を見学しました。とにかく巨大な大聖堂ですから、正面から撮影しようとすると、かなり後ろに下がらなければ大聖堂のテッペンをカメラに収めることは困難でした。

818年に完成したケルン大聖堂は2代目にして約400年後に火事で消滅。そのため、現在の大聖堂は3代目だそうです。2004年には「高いビルの建設で景観が損なわれる」という珍しい理由での危機遺産に指定されました。金属を使用していない石作りというのもビックリ。控え壁の上にはたくさんの尖塔。これがとても素晴らしい手仕事で装飾が施されているそうです。高すぎて肉眼ではまったく見ることが出来なかったのですが…。

中央のファサードから中へ。あまりにも見事な彫刻で熱心に見入ってしまいました。真ん中には聖母マリア様と誕生したばかりのイエス・キリストの像が!


このステンドグラスの題は「パウロの改宗」。ユダヤ教だったパウロがキリスト教に改宗するところですが、キリストが突然現れたために驚いて落馬しています。



ケルン大聖堂にもある「十字架降下像」。ゴルゴタの丘で磔刑にされて息絶えたイエスの遺体を、十字架からそっと降ろして嘆く場面です。

天井にピントが合ってなくて残念ですが、これはゴシック建築ならではの「交差四分のリブ・ヴォールト天井」というそうです。

意外にもパイプオルガンは質素というべきサイズでした。教会や聖堂のサイズとパイプオルガンのサイズは、必ず比例するとは限らないように思います。

美しいステンドグラスはバイエルン王のルートヴィヒ一世が奉納したため、「バイエルン窓」とも称されているそうです。

<リューデスハイム>
ケルンを後にしてドイツバーンでフランクフルトへ。駅前のツアー会社から出発する「リューデスハイムとライン川下りを楽しむツアー」に参加しました。ライン川の両岸に今なお残る古城たち。そして有名なローレライ伝説。広大なぶどう畑の丘陵地をチェアリフトで降りるというスペクタクル&ダイナミックな体験も。見どころ満載のツアーで大満足でした。

リューデスハイムとライン川クルーズの旅は、とても高い位置にそびえるこの記念碑からスタートしました。さすがは普仏戦争でのプロイセン勝利とドイツ帝国誕生を祝して建てられた記念碑です。実に巨大でした。

ニーダーヴァルト記念碑から、白ワインのリースリング種になるぶどう畑が広がる丘陵地帯とライン川の壮大な眺めを堪能したら、続いてはチェアリフトを使ってアスマンスハウゼンの街まで下りました。結構な高さと勾配ですから高所恐怖症の人は怖いかもしれません。

美しく、かつ大きなホテル・レストランが通り沿いに悠然と並ぶ街です。目の前からライン川クルーズを利用することができるため、ここで一泊するという手もありそうです。ホテルはいかにもドイツらしい美しい建物ばかりです。

リューデスハイムでもひときわ美しいと人気のホテル、「クローヌ・アシュマンスハウゼン」です。1度は泊まってみたいとツアーの誰もが言っていました。

団体ツアーですから、ランチはやはり団体向けの大きなお店に連れて行かれました。内装はとても印象的な造りで可愛らしかったです。

ワインはとても美味しかったのですが、フレンチフライがたっぷりなのはアメリカ人観光客の参加が多いツアーだったからでしょうか。

<ライン川クルーズ>
リューデスハイムからザンクト・ゴアルスハウゼンまでのライン川クルーズを楽しみました。ゆったりと流れるような船に乗り、左岸・右岸とアナウンスに従って古城を眺めて行きます。さすがはドイツです。ホテル、レストランとして使用されている古城もあり、大きさも様々。結婚式に利用されることもあるそうです。地震がないことがとにかく羨ましい…素晴らしい財産ですね。写真はいくつか船内のライトが映り込んで残念なことになっています。お許しください!








ライン川クルーズと言えば、知識のある方は「ローレライの伝説になったところ、しっかりと見なくちゃ」となるようです。ところがそれを知らずに参加した人たちは、「ほら、ローレライだ!」と誰かが叫んでも、「何を見ればいいの?」「どれ?」となってしまうようです。海外の旅はやはり事前の勉強が大事だなといつも痛感させられます。ローレライとは大きな岩山のことで、130mほどの高さがあるそうです。

ローレライの伝説。そのストーリーはこうです。昔むかしライン川を船で行き来していた船員たちが、このローレライの岩を通るたびに「水の精」による美しい歌声に聴き入ってしまい、舵を取る手がおろそかになって船が沈没してしまったというのです。
「LORELEY」と書かれた小さな看板が目印ですので、どうかお見逃しのないように…。


ローレライを通過すると、また古城探しに戻ります。



古城ばかりではありません。こんなにも美しい、そして古い教会がところどころにあります。ハイムブルク(ホーネック)城~フュルステンベルク城の間には…

フュルステンベルク城とシュタールエック城の間には…
クルーズを下船してまたリューデスハイムに戻り、1時間ほどの休憩時間があったため「つぐみ横丁」をちらっと見た後、筆者はライン川沿いのカフェで休憩しました。それにしても本当に美しいドイツのホテルやレストラン。スイスと同様、窓辺には必ず赤い花(ゼラニウムかペチュニア)がプランターで飾られています。決して枯らさないよう、花が減らないよう、毎日きちんとお世話がなされているそうです。

次回のドイツその3では、ロマンチック街道のバスの旅~ローテンブルク市内観光~ロマンチック街道バス~ホーエンシュバンガウまでをお届けします。どうぞお楽しみに…!
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(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
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