<元外資系CAその世界を語る>Vol.12 緊張感みなぎる空の仕事 フライト前のブリーフィング

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パリのステイで(Photo by 佐藤めぐみ)
パリのステイで(Photo by 佐藤めぐみ)

~外資系エアラインのCAとして世界81都市に飛んだ日々~

フライト前には30分程度の「ブリーフィング」が行われます。私のいたエアラインでは定まったチームなどは構成されておらず、フライトごとにクルーのメンバーが異なります。まずはキャプテン、ファースト・オフィサー(副操縦士)のプロフィール確認、その後に私達CAが順に自己紹介します。そしてフライトタイムや気流の乱れの予測と航路、食事サービスの内容と特別メニューをお出しするお客様、そして妊婦さん、身体に障がいがあるお客様、車いすなど特別なケアを必要とされるお客様などを全員で確認します。また政治家、スポーツやショービズ界の著名セレブなどVIP待遇のお客様、そして犯罪歴がある人物、保護観察下にある人物が乗ってくる場合はその旨が伝えられ、その座席ナンバーをしっかりと確認します。



その後に待っているのが、恐怖のSEP(Safety Equipment Procedure)とファーストエイドの一問一答タイムです。これはチーフパーサーから1人ずつに出題されるもので、テンポよく進まないとジロッと睨まれます。例えばこのような感じです。

チーフパーサー「Aさん、機内で火災を発見した時あなたの最初の行動は?」
A「消火活動です。」
チーフパーサー「Bさん、消火器はどこにある?」
B「クルーの席の下です。」
チーフパーサー「Cさん、あなたのとるべき行動は?」
C「キャプテンとチーフパーサーに火災を知らせます。」
チーフパーサー「Dさん、あなたは何を?」
D「消火活動をしているクルーのもとに新しい消火器を持って行き、補助します。」

どの航空会社でも消火活動や緊急脱出の際、行動の手順や準備する物、全クルーの役割がキッチリと決まっています。火を発見した最初のクルーは消火活動をするけれど、キャプテンに知らせに行ってはいけません。また緊急事態が起きた時のために使うツールはおよそ30種類あり、すぐに取りに行ける範囲ではありますが、実は機内のあちこちに分かれて収納されており、その場所は頭に叩きこんであります。ブリーフィングではその位置の確認も行われますし、1年に1回、復習と再確認のために本社で4日間にわたる講習会を受講していました。

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