<洋楽マニア>思いきり泣きたい日に コールドプレイ『O』は心を揺さぶるファン絶賛の名曲

この記事をシェアする
「いつの日か一緒に飛べる日も…」という切ない思いに涙  画像:YouTube『Chris Martin of Coldplay “O” // Alt Nation // SiriusXM 』のサムネイル
「いつの日か一緒に飛べる日も…」という切ない思いに涙  画像:YouTube『Chris Martin of Coldplay “O” // Alt Nation // SiriusXM 』のサムネイル

今年のお盆も、今は亡き大事な人達との思い出に笑い、そして涙した方が多かったのではないだろうか。筆者もこの時期になると何人かの大切な故人を必ず思い出すが、この曲を聴くと若くして亡くなった大事な友人のことが必ず思い出される。20代で脳の病気を患い、診断が下ってからたった数か月で息を引き取った友人は今、自由に空を飛んでいるだろうか。

普段はハードロックやメタルをよく聴く筆者だが、「コールドプレイ」はそのジャンルとはかけはなれた楽曲を数多く世に出しており、筆者も大好きなバンドである。中でもこの歌『O』を聴くたび、ふと空を見上げてしまう自分がいる。

Fly on…ride through. Maybe one day I’ll fly next to you.
Fly on.

【出典:コールドプレイ『O』】

「どうか飛び続けて…乗り越えて。いつの日か、僕もあなたの隣を飛ぶのかも。」
「飛び続けておくれ。」

筆者の亡き友人は、金髪&ブルーアイズがそれは魅力的で、まるでモデルのような風貌だった。当然男の子達にモテモテだったこともあり、10代で恋に落ちてママデビュー。しかし結婚生活は長くは続かず、その後いくつかの恋を経て彼女が電撃再婚したのは、まだ20代前半の頃のことである。そんな彼女から「今日は子ども達と公園に行ったのよ。でも頭がすごく痛くなってしまって…」「せっかくの外出だったのに、本当に残念だったわ」という連絡を受けたのは、まだ寒い時期のことだった。

「風邪かな? 早く寝なよ? 」

そう言って電話をきった数日後に再び本人から連絡があり、意を決して病院で検査を受けたところ腫瘍が見つかったと聞かされた。

「主人にも誰にも言わないでほしい。知られたくないの。悪性で手術をしても再発するだろうって…たぶんもう長くはないから、このまま治療は受けずに逝きたい。」

「クローゼットの中の箱に、遺書や大事なものをしまってあるわ。家族から連絡があったら、どうか箱のある場所を伝えてやってほしい。お願いを聞いてもらえる? 」

その悲しすぎる連絡の直後には、「最期の瞬間に会えない可能性も当然あるわ」「今までありがとう」「パスワードを忘れる前にせめてお礼が言いたかった」とメールで遺書が届き、思わずそのまま泣き崩れた。

筆者は数日間を費やして良い病院を探し、共通の知人である医師に頼み込み、頭痛に苦しむ彼女を病院へ連れて行ってもらうしか術がなかった。そしてしばらくが経つも体調は悪化する一方で、彼女は回復することなくこの世を去った。仲良くしていた筆者への最後の言葉は、「楽しい旅を」。最期まで夫を愛し、子供を想い、若くして天に旅立った彼女は、どれほど悲しく心残りだったことか。

その後ようやく少しだけ立ち直れた頃、ふと外に出た瞬間に風にのって甘い香りが漂ってきた。友人がつけていた香水と同じ匂いだと気づきふと空を見上げると、鳥が群れをなし飛んでいたのを思い出す。その直後に共通の知人より電話があり、こう言われた。

「今日、彼女の実家に行ってきたの。不思議なことに、彼女の香水の匂いが一瞬フワッとただよってきたわ。すごく懐かしかった。」

「きっと、天国に飛び立つ前にサヨナラを言いに来たのね」と話し、友人としばし嗚咽した。お化粧やジュエリーの話、夢や将来につき話し合った楽しかった日々。とても幸せそうな彼女の笑顔を、この曲を聴くたびに思い出す。ちなみにアメリカの葬儀では故人を想い遺族が好きな曲を流すことが多いが、この曲を選ぶ人も多いという。Fly on ― ずっと飛び続けて見守ってほしい。そしていつかきっと再会を…そんな切ない思いをこの歌に託す人の気持ちが、筆者にはとてもよく理解できる。

動画:『YouTube』Chris Martin of Coldplay “O” // Alt Nation // SiriusXM

★インスタグラム始めました!@etcetera_japan

(Kayla星谷/エトセトラ)

【こちらの記事もどうぞ】
<洋楽マニア>切ない想いがギッシリの名曲 トキオ・ホテル『Monsoon』
<洋楽マニア>ハードロック好きにはコレ! シック・パピーズ『You’re Going Down』にパワーを貰え
<洋楽マニア>ハードロック好きな洋楽ファンにはコレ! パドル・オブ・マッド「We Don’t Have to Look Back Now」
<洋楽マニア>ハードロック好きにはコレ! バックチェリーの名曲『Sorry』
<洋楽マニア>静かな夜、ワイン片手に聴きたい逸曲 ジョージ・ベンソン『Turn Out The Lamplight』