<元外資系CAその世界を語る>Vol.9 整容検査(グルーミングチェック)は厳しい 美容整形はOK?

この記事をシェアする
貴重品と化粧品はこのバッグに(photo by 佐藤めぐみ)
貴重品と化粧品、ヘアスタイリング用品はこのバッグに(photo by 佐藤めぐみ)

~外資系エアラインのCAとして世界81都市に飛んだ日々~

フライト前に必ず行われるもののひとつに「グルーミング・チェック」があります。顔に目立つニキビや肌荒れはないか、髪型は整っているか、マニキュアがはげたりしていないか、アイシャドー、口紅はきれいに塗られていて色は制服に合っているか、そういったチェックです。私のエアラインでは、口紅とマニキュアを同じ色で揃えなければなりませんでした。もしもダメ出しされた場合は、その場で他のクルーが持っているコスメを借りて塗り直すことも可能です。



また当然ではありますが、靴はちゃんと磨かれているか、制服にシワはないか。さらに時計は華美な物でないか等々。グルーミングオフィスの職員が毎回クルー全員をくまなくチェックします。これらの項目でひとつでもバツが付けば、その日のフライトには乗務できなくなり、それは人事評価に大きく影響します。

驚いたのは手足の傷やあざまでチェックされることです。しかし、足を踏ん張って重いものを上げ下ろしし、揺れる機内を早足で歩いて何かに足を強くぶつけたりすることもあれば、ギャレーでの調理でやけどを負ったり引っ掻き傷を負ったりすることもあります。そのため欠かせないのがコンシーラーでした。肌荒れはコンシーラーやファンデーションを重ね塗りしてカバーしますが、手足にあざや傷が出来てしまった場合もコンシーラーが大活躍でした。そして機内で動き回ったり休憩で席に座れば髪型はどうしても崩れてきます。そのためクシ、ヘアワックス、ヘアスプレーは必携品でした。

そんな業界ですので、フライトにおけるちょっとした休憩タイムは他のクルーと美容の話で持ち切りです。「それどこのアイシャドー?綺麗な色ね。」「この色ともう1つ別の色のシャドーを持ってたから、使ってみる?」「肌荒れがひどいんだけれど、何かいい商品あったら教えて?」「肌がすごく綺麗ね。洗顔と化粧水はどこの何を使っているの?」など、フライトごとにクルーのメンバーは全員入れ替わりますが、若い女性の集まりですから毎度必ずこうした美容の話に花が咲いたものです。

ところで「美容整形はOKなの?」と尋ねられることがあります。大丈夫。います、たくさん。中でも印象的だったのが韓国人クルーです。ある時、そんな一人が私に「あなたきれいな二重瞼ね。エクボまであるなんて羨ましい! 整形したの? でも日本人て私たちほど整形しないのよね?」と声を掛けてきたのです。彼女とは日韓・美容整形事情という話題ですっかり盛り上がってしまいました。



(私)
「私は整形してないけれど、日本でも美容整形の料金が下がって受けやすくなっているせいで、若い子や50代くらいのオバサンたちが積極的に美容整形とかプチ整形を受けるようになってきたの。でも日本では“恥ずかしくて整形しましたとは言いたくない”っていう女の子ばかり。だからやったとしても、“やっていない”と誰もが言うんじゃないかな。」

(韓国人クルーの彼女)
「へぇ、そうなんだ! 韓国ではもう私たちの親の世代までみ~~んな整形するわよ。女の子同士、久しぶりに会うと“この前はココを整形してもらったの。目元で評判がいいのはあそこ、鼻で評判がいいのはあそこ、口コミだとこうよ”なんて美容整形外科の情報を交換するの。やって当然の時代だもん、恥ずかしいなんて気持ちはもうないなぁ。私もこの顔は整形よ。誰もがまず最初に目と鼻をいじってもらう。1回したらもう慣れっこよ。次はここ、その次はここって感じでどんどん整形手術を受けたくなるものなの。あごでしょう、頬骨でしょう、それからおでこ…もう色々とね。」

(私)
「ええ~っ!」

(韓国人クルーの彼女)
「だって私のあごを見て? 角度がちょっとヘンだと思わない?」

(次のページへ)