ハートウォーミングな映画に涙したい 『陽のあたる教室 (原題:MR. HOLLAND’S OPUS)』前半 

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画像:2016/07/20 公開YouTube『retro VHS trailers/Mr. Holland's Opus (1995) Trailer (VHS Capture)』
画像:2016/07/20 公開YouTube『retro VHS trailers/Mr. Holland’s Opus (1995) Trailer (VHS Capture)』

『陽のあたる教室 (原題:MR. HOLLAND’S OPUS) 1996年日本公開

監督:スティーブン・ヘレク  主演:リチャード・ドレイファス、グレン・ヘドリー

 

~ハートウォーミングな映画で涙してみたいアナタのために~

 

家庭に大きな悩みを抱えながらも、真面目で常に生徒たちの気持ちを1番に考えてくれる熱心な音楽教師のグレン・ホランド。高校では誰からも愛されたが、聾唖(ろうあ)の息子との間に愛を育むことには苦労していた。やがて妻との関係もぎくしゃくするようになった彼の前に現れたのは、透明な歌声に美貌を兼ね備えたロウィーナという生徒であった。自分にどんどん傾倒してくるロウィーナ。ショーを前に音楽室ではロウィーナと2人だけの個人レッスンが繰り返された。美しいロウィーナに束の間の夢をみてしまうホランドであったが…。

 

(あらすじ:ネタバレ度・高)

 

オレゴン州のポートランドにある「ジョン・F・ケネディ高校」に音楽教師として赴任してきたグレン・ホランド(リチャード・ドレイファス)。生徒達がまるで音楽に興味を示していないことを初日にして感じ取った。それでも少なくとも4年間は教師として頑張ると決めたのは、愛妻アイリス (グレン・ヘドリー)との暮らしを安定させるためであった。

 

ホランドが最初に苦労したのは、クラリネットを吹いて3年になるが、まったく上達しないと絶望感を口にするガートルード・ラングという赤毛の女子生徒。優秀過ぎる家族を持ち、劣等感の塊となっているガートルードに対し、ホランドはクラリネット指導ばかりか、心をまずはリラックスさせて音楽を楽しむこと、そして頑張れば必ずできると信じることの大切さを説き、彼女の精神面を徐々に鍛え上げていく。

 

それでも「お金のため、いやいや教師をやっている」というのが本心であったホランド。妻の妊娠を知っても瞬時には喜べなかった。やがて妻は男児を出産。大好きなジョン・コルトレーンにちなんで“コール”と名付けられた。しかし夫妻は爆音がなっても驚かない、呼びかけても振り向かないコールが聾唖であることを知る。音楽をこよなく愛する自分の血を継ぎながら、なぜわが子は聴力を持たずに生まれてきたのか。許せない、悔しい、事実をどうしても受け入れたくない、そんなホランドはコールや妻に対して時に激しいヒステリーを起すことすらあった。

 

演劇祭に向けてショーの準備を始めたホランドは、オーディションを経てロウィーナ・モーガン(ジャン・ルイサ・ケリー)という女子生徒と出会う。あくまでも透明感のある艶やかなソプラノ。そして美しい顔立ち。「ニューヨークで歌手になるのが私の夢。でも両親がダウンタウンでお店をやっていて手伝わなければならないから、その夢はもう諦めている」と悲しそうに話す彼女を懸命に励ますホランドであった。そして自宅に戻ればピアノに向かって黙々と作曲を続けていた。センチメンタルなメロディが綴られた譜面には、なぜか『ロウィーナのテーマ』と女性の名が記されている。これを妻のアイリスが見逃すことはなかった。

 

ショーを直後に控えたロウィーナは、なぜか大人の女性のような表情で「ホランド先生も作曲の道を進みたいのよね。ニューヨークに行って2人で好きな音楽を続けましょう。先生どうか私のそばにいて。明日の夜バス停で待っているから」と懇願する。ホランドは心乱れてしまうが、自宅に戻り家族のアルバムを眺めると妻の寝顔にキスをして眠りにつく。

 

ショーは大成功となるが、客席のアイリスはプログラムを開いて主役を演じた女子生徒の名に愕然となる。“ロウィーナ”とはまさかこの少女のことだったの!? それでも夫を信じるしかない。アイリスはどんな時にも辛抱強く耐える女性であった。その夜、約束のバス停に向かうホランド。しかし荷物は持っていない。「バンド仲間のある夫妻に君のことを話しておいた。彼らを頼るといい」と告げるとキスをする。唇へのキスを期待したロウィーナ。しかしホランドはその頬にしか触れなかった。

 

その後、ニューヨークでジョン・レノンが暗殺されるという恐ろしい事件が起きる。ショックで気が動転するなか、「コール、耳が聞こえないお前にこの気持ちわからないだろうな」と嫌味を言い、親子は激しく衝突する。「僕だって音楽を学びたい。でもパパはいつだって生徒たちに教えるばかりで僕なんて相手にしてくれない」とコール。息子は本当は寂しかった、自分の愛が欲しかったのだ、しかし妻と違って自分は手話すら上手ではない…ホランドは深く反省し、心を入れ替えた。

 

そんなホランドが開いたのは聾唖者のためのコンサート。彼は手話もかなり覚えた。そして「この曲をわが息子のコールに贈りたい」として、ジョン・レノンの『Beautiful Boys』を手話とともに歌いあげ、拍手喝さいを浴びる。このあたりから親子の関係は良好なものになっていた。しかし高校では予算の関係から芸術系科目の削減が決まり、ホランドの解雇が決まる。音楽が若者にどれほど必要か懸命に説くも、その状況は覆しようがなかった。

動画:『YouTube』Mr. Holland’s Opus (1995) Trailer (VHS Capture)

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(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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