恐怖映画で背筋ゾーッ! 恋に狂った女子と父の暴走がひたすらヤバい『ラブド・ワンズ(原題『The Loved Ones』)

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画像:2012/05/03 公開『YouTubeムービー/The Loved Ones-Trailer』のサムネイル
画像:2012/05/03 公開『YouTubeムービー/The Loved Ones-Trailer』のサムネイル

『ラブド・ワンズ(原題:The Loved Ones)』 2009年トロント公開の豪作品
監督:Sean Byrne 主演:ゼイヴィア・サミュエル

~恐怖映画で背筋ゾーッ そんなホラー好きな方にオススメの作品~

とてもハンサムで美しい恋人もいる高校生ブレント(ゼイヴィア・サミュエル)は、“ある暗い過去”に深く苦悩して立ち直れぬまま。カミソリを常に携帯する彼は、悲しみと苛立ちで爆発しそうになると自傷に走り、心の痛みを紛らわすしか術がない。しかし“ある出来事”がきっかけとなり、彼の「生きていたい」という思いが復活―「いっそこのまま…」とカミソリを力任せに握りしめていたはずの彼は、生存をかけ執念を燃やすようになるのだ。



そのある出来事とは、「ダンスパーティーに一緒に行ってくれない?」というパッとしない少女のリクエストを断ったことである。その程度の挫折など「どうってことない」と笑い飛ばせる女の子なら問題はなかったのだが、少女は傷つき自らを溺愛する父を利用してブレントを誘拐・監禁。ブレントの声を奪うべく首に太い注射針をズブリと突き刺し、ブリーチを注入。椅子に縛りつけた彼を父と共に激しく拷問する様はあまりにも凄まじい。

しかしこの映画の面白さは、決して拷問に次ぐ拷問という残酷描写ではない。過去にとらわれ立ち直れず自傷していたはずの彼にとって「死」は怖いモノどころか望みでさえあったはずなのに、思わず目を覆いたくなるような凄まじい拷問を受けた末に、「生きる」べく必死の抵抗と脱出を試みるのだ。そして彼が心から愛する恋人に危機が迫った時、彼は自分だけではなく恋人をも救おうと、血まみれになりながら狂った女に立ち向かっていくのである。



ちなみに映画のタイトル『The Loved Ones』は、「愛されている人々」という意味だ。ゆえに強烈かつグロテスクなホラー映画でありながら“ロマンチックな映画”を想像してしまう。それも決して勘違いとは言い切れないのは、映画の中で実に様々な愛が描かれているためである。恋人や母親、親友に愛され、大切にされているブレント、ブレントに愛されている恋人、ブレントに恋をするも実は父親にゆがんだ愛情を抱く少女と、同じく少女に異常な愛を抱く父親-それが倫理的に正しいか否かは別として、同作品で多くの愛が描かれていること、また愛の怖さと美しさの両方がうまく映像化されていることは間違いない。

またこの作品は、絶体絶命の危機に直面することで生きることに執念を燃やすようになる高校生の立ち直りを描く「青春・恋愛映画」とも言えるのではないか。ちなみにこの映画が公開になった頃、多くの人は「『危険な情事』と『ホステル』を彷彿とさせる」とこの映画を表現したが、実はブレントの再出発、そして愛がテーマの映画なのだと思って鑑賞することをお勧めしたい。なお主演のゼイヴィアは『エクリプス/トワイライト・サーガ』や『フューリー』など多くの映画に出演しており、今後ますます多くの映画にて活躍するであろう逸材である。

動画:『YouTube』The Loved Ones Official Trailer

(Kayla星谷/エトセトラ)

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