ハートウォーミングな映画に涙したい 『ギルバート・グレイプ(原題:What’s Eating Gilbert Grape)』後半

『ギルバート・グレイプ(原題:What’s Eating Gilbert Grape)』 1994年日本公開
監督:ラッセ・ハルストレム
主演:ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス
~ここから先、ネタバレですのでご注意を~
ところが太りすぎていて、遺体を運び出すことすらできないとわかったボニーの子供たち。死んでまで町の人々の笑い者にされるのは絶対にごめんだと感じたギルバートは、家具をすべて庭に運び出すと2階に母親の遺体を残したまま自宅に火を放つのであった。彼らは茫然とした表情で猛烈な勢いで吹き上がる炎を見上げるが、やがて自宅が燃え尽きると自らの意思で街を出ることを考える。ギルバートはトレーラーハウスで迎えに来てくれたベッキーと合流し、希望を胸に町を後にする。彼の隣に座ったのは愛する弟アーニー。この兄弟を嬉しそうに迎えてくれるベッキーのさわやかな笑顔は若き日のジュリエット・ルイスならでは。実にチャーミングである。
生まれる星の下など誰にも選べない。そのため家族という呪縛に自分の人生を見失いがちな、そして犠牲にしがちな若者は多い。ギルバートはもしもベッキーに出会わなければ、いつまでも家族の世話に追われ独身のままあっという間に40代になっていたのであろう。「愛しているよ、ママ」と優しく告げるギルバートの言葉に偽りはなく、母親の死に「肩の重荷が下りた」などと言う男でもない。だからこそ、ギルバートのこれからの人生が常に光り輝く希望に満ち、明るいものとなるよう祈らずにはいられない。
★ココで、ちょっと覚えてみたいカンタンな英語のフレーズを…。
ガールフレンドを紹介するため、2階の母親の寝室にやってきたギルバートとベッキー。すっかり人間嫌いになっているボニーは“No !”と言って息子の彼女と会うことを拒絶する。
“Mama, I want you to meet somebody.”
“No !”
“Mama… Please. Just this once for me.”
「ねぇ、お願い。たった1度でいいから、今回だけ、どうかお願い…。」
こんな風に哀願すること、ありますよね。そんな時は“Just this once for me.”で攻めてみましょう!
動画:『YouTube』What’s Eating Gilbert Grape – Trailer
ハートウォーミング系洋画の厳選10(いつの間にか20を超しそうな予感も)。前半のネタバレを見逃した方はこちらからどうぞ。思い切り感動して泣いてみたいアナタのためにまだまだ探します。どうぞ次回もお楽しみに・・・。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
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