<世界旅紀行>『カンボジア・シェムリアップ』その4 アンコールワット、アンコールトムほか遺跡巡り

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プノンバケンからパノラマ撮影(Photo by 朝比奈)
プノンバケンからパノラマ撮影(Photo by 朝比奈)

~目標は世界遺産・厳選52か所の制覇~

Vol.1 『カンボジア・シェムリアップ』その4は、長いこと憧れていたアンコール遺跡群巡りのリポートです。アンコールワットに足を踏み入れた瞬間、言葉にならないほどの感動が自分の中に沸き上がりました。



■アンコール・ワット ※ すべての写真を朝比奈が撮影

アンコールワット
アンコールワット

旅を愛する世界の人々が「訪れてよかった」「死ぬまでに必ず訪れてみたい」として投票し、様々なインターネットサイトで世界の観光スポット人気ベスト3に常に入っている「アンコールワット」。カンボジアのシェムリアップにあります。旅上手の身内から1歳でも若いうちに行くこと、ケチケチせず必ずガイドブックの購入をと助言されていましたが、その通りでした。アンコール遺跡群の散策を存分に楽しむため、歴史的な出来事や宗教に関してある程度の知識を頭に入れておくべきであること、そしてアンコールワットの各回廊では、ガイドブックに示されている有名なレリーフを実際に見つけるのが楽しくて仕方ありませんでした。そしてこの旅は健康と連日10㎞ほど歩ける健脚が求められました。高温多湿で大量の汗をかきながら広大な敷地に点在する遺跡を巡り、ところどころで急な階段を上り下りする必要があるためです。

アンコールワット巡りは健脚勝負
アンコールワット巡りは健脚勝負

ユネスコの世界遺産に登録されているアンコールワットは、1113年に国王に即位したスーリヤヴァルマン2世により創建されたクメール建築の最高傑作といわれる宗教寺院です。12世紀初頭、6万人の手により30~35年をかけて完成され、権力の象徴でもあり、またヒンドゥー教のヴィシュヌ神をはじめとする神々と交信する儀式の場とされていました。また王の霊廟でもあります。敷地面積は東京ドーム約15個分で、観光客はとにかく回廊の壁面を構成する見事なレリーフを懸命に撮影しています。



【第三回廊から中央祠堂】

中央祠堂
中央祠堂

第三回廊の4つの祠堂に囲まれ、天空に突き刺すように建てられた中央祠堂は、クメール王国において「天に最も近い場所」と称され、仏教やヒンドゥー教でここが世界の中心と考えられている想像上の山、須弥山(しゅみせん)を意識したものだそうです。

【第一回廊/有名なレリーフ】

あちこちに女神デヴァター
あちこちに女神デヴァター

 

マハーバータラ(西面南)
マハーバータラ(西面南)

 

ラーマーヤナ(西面北)
ラーマーヤナ(西面北)

 

スールヤヴァルマン2世軍の行進(南面西)
スールヤヴァルマン2世軍の行進(南面西)

 

天国と地獄(南面東)
天国と地獄(南面東)
天国と地獄(南面東)
天国と地獄(南面東)

 

乳海攪拌(東面南)
乳海攪拌(東面南)

 

ヴィシュヌ神と阿修羅の戦い(東面北)
ヴィシュヌ神と阿修羅の戦い(東面北)
こちらもヴィシュヌ神と阿修羅の戦い(東面北)
こちらもヴィシュヌ神と阿修羅の戦い(東面北)

 

不老不死の媚薬「アムリタ」を巡って戦うヴィシュヌ神(北面西)
不老不死の媚薬「アムリタ」を巡って戦うヴィシュヌ神(北面西)

 

五つ頭のヴァースキを引く阿修羅
五つ頭のヴァースキを引く阿修羅

 

ガルーダに乗ったヴィシュヌ神
ガルーダに乗ったヴィシュヌ神

 

ガルーダに乗ったヴィシュヌ神
ガルーダに乗ったヴィシュヌ神

 

1000本の手を持つバーナ
1000本の手を持つバーナ



■アンコールトム ※ すべての写真を朝比奈が撮影

南大門からバイヨンへ
南大門からバイヨンへ

2世紀後半、クメール王朝初の仏教徒の国王であったジャヤバルマン7世によって造営された王宮、仏教寺院ほかで構成される遺跡群です。ベトナムのチャンパ王国が派遣するチャンパ軍の執拗な攻撃ですっかり荒れ果ててしまった国土に国民が意気消沈してしまい、それを仏教とともに立て直そうと築かれたものです。

 

【バイヨン】

バイヨン全景
バイヨン全景

ややまとまった遺跡群となるアンコールトムのなかでも、特に有名なのがバイヨン寺院です。54もの搭が建ち並び、四方を向いて刻まれた観世音菩薩の顔は「バイヨンの微笑/クメールの微笑」とも呼ばれています。レリーフは人々の暮らしぶりや産業、クメール軍の行進やチャンパ軍と戦いの様子などをテーマにしており、ここから実に多くのものを学べると高い評価を得ているようです。

 

「これが見たかった!」という人でごった返すバイヨン
「これが見たかった!」という人でごった返すバイヨン

 

バイヨン「乳を与える水牛と子牛」レリーフ
バイヨン「乳を与える水牛と子牛」レリーフ
バイヨンのレリーフ 魚もワニも
バイヨンのレリーフ 魚もワニも
バイヨンのレリーフ 出産
バイヨンのレリーフ 出産
バイヨンのレリーフ クメール軍
バイヨンのレリーフ クメール軍

【バプーオン】

3層からなる山岳型の寺院「バプーオン」
3層からなる山岳型の寺院「バプーオン」

11世紀中頃という1060年頃にウダヤーディチャヴァルマン2世により建てられ、ヒンドゥー教のシヴァ神に捧げられました。「子隠し寺」の異名をとる理由は、タイのシャム王とクメール王は兄弟でシャム王により預けられた息子を、クメール王の家臣が「何かの陰謀に違いない」と勘繰って殺してしまったことから、激怒したシャム王の軍が出陣し、クメール王は自分の息子の身の安全を心配してこの寺院に預け、匿わせたからだそうです。

空中参道と呼ばれる170mの参道
空中参道と呼ばれる170mの参道

【象のテラス 王のテラス ガルーダのレリーフ】

象のテラス(左)、王のテラス(右)
象のテラス(左)、王のテラス(右)

 

【プノン・バケン】

プノン・バケン寺院前のテラスで
プノン・バケン寺院前のテラスで

アンコールワットとアンコールトムのほぼ中間に位置し、その日の旅程のフィニッシュにこの寺院を選ぶ観光客が大勢います。少しばかり山登りをする覚悟が必要で、そこからさらに高さ60メートルほど階段を上がったところにプノン・バケン寺院があり、ここからの夕陽鑑賞はアンコール遺跡群を巡る旅のハイライトのひとつとなります。

夕方5時半までに入場する上、人数制限が先着300名と決まっています。私が到着した時はすでに長蛇の列で、寺院内にはすでにたくさんの観光客がいるため「こりゃ無理だ」と直感しました。係員のオジサンも「少し下山すればほかの鑑賞用の展望スポットもあるからそちらに移動を」と説得して歩くのですが、誰も帰ろうとしないのです。なぜなのか・・・。すると、これからせっかく夕陽のショーが始まるというのに寺院から降りてくる人たちがいるのです。夕食の予約を入れてしまった、夜の便で帰国するという観光客でしょうか。彼らは首に吊るした入場許可証を係員に返却し、それを渡された列の先頭の人が寺院への階段を駆け上がります。ひょっとしたら私にもチャンスが・・・? はい、その通り。粘ってみて正解でした。私もなんと入れたのですよ。入場許可証をゲットです。

プノンバケン入場パス
プノンバケン入場パス

寺院ではどこを訪れてもこうした少年僧侶さんたちに出会います。わが子が仏に仕える道を選ぶ、これは親にとってはとても誇らしいことだそうです。

まだ小学校高学年と思われる僧侶たち
まだ小学校高学年と思われる僧侶たち

 

■トレンサップ湖クルージング

湖に浮かぶ家たち
湖に浮かぶ家たち

静かな湖にポツン、ポツンと浮かぶ家。とても珍しい水上生活を一目見ようと、ホテルのコンシェルジェから「トレンサップ湖クルージングツアー」に申し込みました。地元のガイドさんと一緒です。クルージングというとカッコイイ響きがありますが、水は茶色く船はオンボロ、しょっちゅうタービンにゴミや捕獲網の破片が絡まって止まってしまいます。

クルーザーはこれ
クルーザーはこれ

後進国をゆっくりと旅すると、こういう予期せぬ不具合を多々経験します。トイレだってひどく汚れていて臭すぎます。便利な都会暮らしに慣れている日本人には、そうした経験はとても貴重です。焦ってイライラしてばかり、不満を言ってばかり…そんな人には不便さや不潔さが当然という後進国の旅を1度は経験して頂きたいと思います。物事に動じず、腹を立てない人生があることを知るはずです。

トレンサップ湖近くの地域は貧困世帯が軒を並べる
トレンサップ湖近くの地域は貧困世帯が軒を並べる

トレンサップ湖に近くなると車からトゥクトゥクに乗り換えますが、その道中では貧困層の人々の暮らしをイヤというほど見ることになります。しかも幼い子供たちがホコリまみれの商品を手に、観光客を捕まえては「お願い、これ買って?ねぇ、お願い」と懸命に粘ります。しかし、「厳しいようだけれど無視してください。絶対に買わないで」とガイドさん。そういう子の親は往々にして酒びたりの自堕落な生活をしているといい、子供たちはワクチン接種もせず病気をしても病院に連れていってもらえない。学校にも行かせてもらえないため教養も常識も身につかないまま大きくなり、万引きなど犯罪に手を染めるようになるとのこと。お金を稼げない子供は施設に入れられることになり、その方が本人にとってはよほど幸せな人生が開けるというのです。近いのに、仲良くやれるはずなのに、日本人があまり多くの関心を払ってこなかった東南アジアの国々。美しいリゾートビーチだけでなく、こういう土地に足を向けることもとても大事だといつも感じます。

続いてはエジプト紀行をお届けする予定です。どうぞお楽しみに!

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(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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