<洋楽マニア>静かな夜、ワイン片手に聴きたい逸曲 ナタリー・コール&ナット・キング・コール『Unforgettable』

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名曲は人々に愛されながら年輪を重ねていく(Photo by 朝比奈)
名曲は人々に愛されながら年輪を重ねていく(Photo by 朝比奈)

トミー・リピューマ(Tommy LiPuma)さんという鬼才プロデューサーの名を聞いたことがありますか。残念ながら昨年3月に80歳の生涯を閉じましたが、ソウル、ボサノバからジャズ、ポップス、ロックまで活躍の分野は実に広く、33回のグラミー賞ノミネートと5回の受賞を経験しています。その名は後世に語り継がれることでしょう。彼の手にかかると音楽がやけに洗練され、いきなり女性のファンが急増する。つまりアーティストにファン層の広がりや万人受けする音楽を創り出す喜びを実感させてきた、そんな敏腕プロデューサーなのです。

1970年代なかばから数々の名盤を世に放つようになったリピューマさん。マイケル・フランクスの甘さ、ビル・エヴァンスの美しさに女性たちも夢中になり、ジョージ・ベンソンの『ブリージン』は初のグラミー賞受賞作品となります。先にお伝えしたダイアナ・クラークも、そしてシーウィンドも彼の手で世界に名が知れるようになりました。バーブラ・ストライサンドの名盤『追憶』もリピューマ作品です。

すでに廃盤となりましたが、ジャケットのカトレアの花が美しいデオダートの『ラヴ・アイランド』とマーク=アーモンドの『アザー・ピープルズ・ルーム 』、シーウィンドの『ライト・ザ・ライト』は私の宝物となっています。そして父ナット・キング・コールとのデュエット『Unforgettable』ほか数々の美しいバラード曲が収められたナタリー・コールの1997年のアルバム、『アンフォゲッタブル』も忘れることはできません。リピューマさん、2015年12月に天に召されたナタリーと会えたでしょうか。

その曲はすでに聴いたことがあるという方も多いと思います。こちらではライブの様子を動画でどうぞ。スクリーンに偉大なる父ナット・キング・コールを映し出し、こうして見事なデュエットを再現していたのですね。

動画:『YouTube』Natalie Cole & Nat King Cole – Unforgettable (Live 1992)

どうぞ次回もお楽しみに…。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)