<元外資系CAその世界を語る>Vol.3 なぜ米国のエアラインを選ばず、中東のエアラインに狙いを定めたのか

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NYステイでスタテン島へ(Photo by 佐藤めぐみ)
NYステイでスタテン島へ(Photo by 佐藤めぐみ)

~外資系エアラインのCAとして世界81都市に飛んだ日々~

これを言ってしまうと怒られそうな気もしますが…お許し下さい。私は留学中にアメリカと日本を何度も往復しました。その際、米国のエアラインではイヤイヤ仕事をしていることがあからさまに分かるクルーを多数見かけました。“素敵な”CAになりたいという夢を持ち、いざ就職活動を始めようとしていた私にとって彼女たちの立ち振る舞いは憧れの姿からはほど遠いものでした。しかしレイオフをはじめ労働環境の悪化があれこれと騒がれていた頃でしたから、肉体労働であるクルーの仕事に不満や苛立ちを覚えるのも無理はありません。このような訳で私は「ただCAになれればいいというわけではない。安定も求めよう」と思うようになりました。



そこで注目したのが中東のエアライン。どこも経営が非常に安定しており、待遇が良いと聞いたからです。私を採用してくれたエアラインは豊かな天然資源のおかげで国の経済が大変潤っていますが、実は航空機の維持と安全な輸送のためにこれはとてもは大切なことです。技術に優れた欧米のパイロットと整備陣営を手厚い待遇で雇うことができる。これは命を預ける側にとっては何よりの安心感になります。お客様に「お宅の機材はいつも新しくて清潔ですね」、「揺れた際にもガタガタという怖い音がまるでしないんですね」と褒めて頂くことは自慢のひとつでした。

2つ目の理由は、中東のエアラインに採用されれば、そこを拠点に世界何十か国に向けて飛べることを知ったためです。中東はまさに世界のど真ん中、とても良い位置にあると思います。外資系の多くのエアラインは、その国と日本を往復する路線に乗務するクルーとして日本人を雇っているのが現状です。日系エアライン以外で世界中を飛び回れる外資系エアラインといえば、やはり中東になると思います。

3つ目の理由はコネなどない公平感と、非常にオープンな採用・人事の制度です。多くの外資系エアラインは「父の仕事の関係でその国に何年か暮らした」、「留学でこの国に何年も暮らしていた」といった方を好むものです。ところが中東はもっと門戸を広く開けてくれる上、経営状態が良いため新しい空港の建設や旅客機の購入が盛んで、採用人数も増える一方なのです。また、驚かれてしまうと思いますが、私は1年でビジネス・ファーストクラスの担当に昇格しました。頑張っていれば必ず評価してくれる、そんなことも強く感じたものです。

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